17記事でたどる判例の読む順序
登記・共有・相続を判例で読む第三者との優劣・権利の外観・共有物分割
誰から誰へ、いつ権利が移ったかを整理してから判例を読みます。二重売買、取得時効、相続、共有物分割を比べ、登記が必要な理由と例外の条件を確かめます。
対象:民法の権利関係を時系列で整理したい宅建・不動産鑑定士の学習者
最初の記事から学ぶ →STEP 1
権利の移転と登記を時系列で並べる
目標:登記の対抗要件と権利の存否を分け、第三者の立場を特定する。
STEP 2
相続と共有の判例を比べる
目標:法定相続分、分割後の取得、単独使用と分割方法を区別できる。
一人の相続人が単独名義にした登記と、ほかの相続人の持分|最高裁昭和38年2月22日判決
共同相続人の一人による単独名義の登記と、他の相続人の持分、第三者に抹消を求められる範囲を学びます。
遺産分割の後に現れた第三者と登記|最高裁昭和46年1月26日判決
遺産分割後の第三者に対抗するための登記を、法定相続分を超える取得と第三者出現の時点から学びます。
相続分を超える権利取得を第三者に対抗するには?
相続による法定相続分を超える権利取得を第三者へ対抗する登記を学び、相続登記の申請義務と区別します。
共有物の単独使用と対価の判例|事案・判断・射程
共有物の単独使用について、他の共有者への金銭支払と明渡請求を分けて判断した判例です。
共有不動産を一人が取得し金銭で清算できる?最高裁平成8年10月31日判決
共有者の一人が取得して他の共有者へ価格を支払う分割方法を、価格の適正さや支払能力から読む判例です。
共有物分割と分割禁止特約の期間は?
共有物分割の請求と5年以内の分割禁止特約を学び、裁判での現物分割・価格賠償・競売を比べます。
STEP 3
外観と代理の例外を確かめる
目標:本人の関与、相手方の認識、相続の順序によって結論が変わる理由を説明する。
他人名義の不動産を信じた第三者と登記|最高裁昭和44年5月27日判決
他人名義の不動産を買った善意の第三者の保護を、民法94条2項の類推と登記の要否から読む判例です。
不実の登記を信じた買主を保護した理由|最高裁平成18年2月23日判決
登記済証・実印等を渡した所有者の関与と、買主の善意無過失から、不実の登記を信じた第三者の保護を学びます。
代理権の範囲内でも本人に効果が及ばない場合|最高裁昭和42年4月20日判決
代理人の自己利益目的を相手方も知っていた事件から、旧民法93条ただし書の類推と現行107条を比較します。
無権代理人が本人を共同相続しても自分の持分だけ有効になる?最高裁平成5年1月21日判決
父の名で無断の連帯保証をした者が、母とともに父を相続した事件です。追認権の不可分な帰属から、自分の相続分だけ当然に有効となるわけではないとされた理由を読みます。
STEP 4
担保と執行に進む
目標:賃料への物上代位、法定地上権、引渡し猶予、執行費用の各場面を分ける。
賃料債権が譲渡された後も抵当権で差し押さえられる?最高裁平成10年1月30日判決
賃料債権の譲渡と抵当権による物上代位の競合を、対抗要件・差押え・弁済の順序から読む判例です。
建物の仮差押え後に土地が譲渡されても法定地上権を認めた判例
建物の仮差押え時に土地建物が同一所有なら、その後の土地譲渡を経ても本執行の競売で法定地上権が成立した判例です。
滞納処分の差押え後の借主にも建物引渡猶予を認めた判例
滞納処分の差押え後の借主にも、競売開始前から賃借権に基づき使用する場合に民法395条の引渡猶予を認めた判例です。
土地売買の履行を求める弁護士費用を損害に含めなかった判例
土地売買の履行を求める弁護士報酬を、売主の債務不履行に基づく損害賠償として認めなかった判例です。
学習の仕上げ
当事者は誰で、どの事実が結論を支えたかを説明してみましょう。契約の内容、出来事の順序、相手の認識を変えても同じ結論になるか、記事の射程と関連条文に戻って確かめます。古い判例では、当時の法律と現行法の違いも確認してください。