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条文宅建業法

37条書面の交付|契約後の時期・記名・35条との違い

37条書面は契約後遅滞なく交付します。宅建士の記名と35条の重要事項説明とは異なる義務を学びます。

37条書面の記載事項:必要的事項、任意的事項、書面の交付の関係を示す図
この記事の目次 13項目
  1. 条文と学習の要点
  2. 条文・学習用要旨
  3. 契約を選ぶための説明と、成立した約束の確認
  4. いつ、誰に交付するのか
  5. 宅建士の記名と、宅建士による説明は別の義務
  6. 必ず記載する事項と、定めがある場合の事項
  7. 貸借と、業者同士の売買で変わること
  8. 電子で提供するときも、相手方の承諾と方法の要件がある
  9. 媒介業者から届く書面を、売主と買主の両方が確認する
  10. 3問で理解を確かめる
  11. 出典・参照資料
  12. 次に学ぶ
  13. 関連記事

条文と学習の要点

37条(書面の交付)

条文・学習用要旨

【学習用要旨】37条書面は、成立した契約の内容を確かめるため、契約後遅滞なく交付する書面です。宅建士の記名は必要ですが、35条の重要事項説明と同じ説明義務があるわけではありません。

公式資料で確認する

契約を選ぶための説明と、成立した約束の確認

35条の重要事項説明は、原則として契約が成立する前に、取引するかを判断するために行います。37条書面は、既に成立した契約の内容を明確にするため、契約成立後、遅滞なく交付します。同じ日に手続をする場合でも、両者が果たす役割と必要な時点は異なります。

例えば、売買代金や支払日を契約で確定した後、当事者へその内容を示すのが37条書面です。重要事項説明書を先に渡したことを理由に、37条で記載すべき事項を省略することはできません。契約書という名称の文書であっても、法定の事項と交付等の要件を満たすかを確認します。

いつ、誰に交付するのか

法律は、契約成立後、遅滞なく交付することを求めています。「引渡しの日までに渡せばよい」「代金を全額受け取ってから交付する」と、別の期限へ置き換えないようにします。契約後にやむを得ない事情があるかなどの問題は別として、引渡しや決済を一律の開始条件とする制度ではありません。

自ら契約の当事者となる場合はその相手方、代理した場合は本人と相手方、媒介した場合は契約当事者双方へ交付するという区別を押さえます。媒介業者が売主から依頼を受けた場面でも、依頼者の売主だけへ交付して終わりとはなりません。

宅建士の記名と、宅建士による説明は別の義務

宅建業者は、37条書面に宅建士をして記名させる必要があります。従業員が宅建士でない場合に、単にその従業員の名前を記せば代わりになるわけではありません。一方、37条自体は、35条と同じく宅建士が書面内容を説明することまで一律に義務付けていません。

比較

35条

37条

主な役割

契約前の判断材料

成立した契約の内容確認

原則の時期

契約成立前

成立後、遅滞なく

宅建士の関与

記名と重要事項説明

記名が必要

押印

現行法では法定の押印義務なし

現行法では法定の押印義務なし

説明義務がないという一文を、記名も不要、書面も不要と広げないことが大切です。また、法律上の37条説明義務がないことは、契約上の説明約束や顧客対応上の必要まで否定する意味ではありません。

必ず記載する事項と、定めがある場合の事項

売買・交換では、当事者の氏名等、物件を特定する表示、代金等、支払の時期・方法、引渡しの時期、移転登記申請の時期等を整理します。一方、解除、損害賠償額の予定・違約金、天災等による損害負担などは、その定めがあるときに内容を記載する事項です。

例えば、違約金について合意していないのに、37条書面を作るために新しい違約金の合意を必ず設けるわけではありません。合意の有無と、その合意を記録する義務を分けてください。建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項の扱いなど、売買・交換特有の事項もあります。

貸借と、業者同士の売買で変わること

貸借でも37条書面は必要ですが、売買・交換と記載事項が完全に同じではありません。例えば、貸借では所有権移転登記申請の時期を記載するわけではありません。天災等による損害負担の定めがあるときの記載は、貸借にも関わります。取引類型を読み落とさないことが大切です。

宅建業者同士の取引だからといって、37条が適用除外になるわけでもありません。業者間取引の適用除外を定める78条2項と照合すると、37条書面の規定はその除外に含まれていません。35条の業者間取引では説明省略の扱いがありますが、その話を37条の交付不要へ持ち込まないようにします。

電子で提供するときも、相手方の承諾と方法の要件がある

所定の承諾を得て、法令に適合する電磁的方法で提供することもできます。単にPDFを送れば、相手の承諾や提供方法の要件がすべて満たされるとは限りません。電子であることと、宅建士を明らかにするための措置等が不要になることは別です。

最後に、成立した契約は何か、交付先は誰か、法定の事項を満たすか、宅建士の関与は何か、の順に確かめましょう。35条と37条を、書面の名称だけで一緒に覚えないことが基本です。

媒介業者から届く書面を、売主と買主の両方が確認する

Aが売主、Bが買主、Cが媒介業者という売買なら、Cの交付先をAだけに限定しません。Cは媒介して契約を成立させた当事者双方への交付を確認します。売主Aから報酬を受ける契約だったから、Bへの交付は省けるという関係ではありません。また、AとBが自分たちで契約書を作った事実だけで、Cの法定義務が当然に消えるわけではありません。その書面が37条の必要な事項を満たし、宅建士の関与等と適切な交付が確保されるかを検討します。契約書の作成者、交付義務を負う業者、交付を受ける当事者を分けて考えると、複数の人が登場する問題にも対応しやすくなります。

37条書面の確認

37条書面は、成立した契約の内容を明確にする書面です。宅建業者は契約成立後、遅滞なく交付します。35条と違い、37条書面の内容を宅建士が説明する義務は定められていませんが、書面への宅建士の記名は必要です。

間違えやすい点

宅建士の押印が必要だとする古い表現に注意します。現行の学習では記名と説明義務の有無を分けて確認します。

例で確かめる

宅建士が37条書面に記名し、営業担当者が相手方へ交付することと、35条の重要事項説明を無資格者が行うことは別問題です。

基礎確認用の補足教材。確認問題に用いる基準は各問題に表示しています。

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出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(2026年4月1日以降適用)(国土交通省)確認日 2026/10/22
  2. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  3. ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化(国土交通省)確認日 2026/10/22
  4. 不動産取引時の書面の電子化・宅建士の押印廃止(国土交通省)確認日 2026/10/28

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