LELavaEstate
用語賃貸住宅管理

必要費と有益費の違い|修繕費をいつ請求できるか

賃借人が支出した費用について、保存のための費用と価値を増す費用を区別し、償還時期を整理します。

緑の植栽に囲まれた住宅街
この記事の目次 6項目
  1. 費用の目的から区別する
  2. 償還の時期と範囲を分ける
  3. 給湯器と装飾工事を比較する
  4. 条文で条件を確かめる
  5. 出典・参照資料
  6. 次に学ぶ

費用の目的から区別する

必要費は物の保存等に必要な費用、有益費は物の価値を増加させる費用として区別されます。賃貸借では、工事名や金額だけでなく、何のために行った工事か、誰が負担すべき費用かを確認します。借主が自分の好みで行った内装工事を、全て貸主へ請求できるわけではありません。

民法608条1項は、賃借物について貸主の負担に属する必要費を借主が支出したとき、直ちに償還を請求できると定めます。借主の責任で必要になった修理などは、貸主負担に属するかという前提から検討します。

償還の時期と範囲を分ける

費用

民法上の基本的な取扱い

貸主負担に属する必要費

支出後、直ちに償還を請求できる

有益費

賃貸借終了時に、価値増加の現存等を確認する

有益費は民法196条2項に従い、価格の増加が現存する場合に、貸主が支出額又は増価額を選択する仕組みです。支払った工事代金が、そのまま必ず償還額になるのではありません。608条には裁判所による期限の許与についての定めもあります。

給湯器と装飾工事を比較する

通常の使用で故障した備付け給湯器を、必要な条件のもと借主が修理した場合は、必要費に当たるかを考えます。一方、借主が好みの壁材へ変更した場合には、承諾、工事内容、価値増加の有無、特約などが別途問題になります。

借主が修繕できるかという607条の2の問題と、支出した費用を請求できるかという608条の問題は、順に確認します。修理できる条件を満たしたというだけで、工事の範囲や金額が無制限に認められるものではありません。

条文で条件を確かめる

費用償還を定める608条と借主による修繕の607条の2を読み比べます。

出典・参照資料

  1. 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. 賃貸住宅標準契約書について(国土交通省)確認日 2026/10/28

次に学ぶ

学習の順序に戻って、次の単元を選べます。

賃貸不動産経営管理士の学習入口へ →

解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。

この記事について質問する →

この記事の目次