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論点宅建業法

相続や合併で宅建業免許はそのまま引き継げる?

宅建業免許が相続・合併で承継されない場合を学び、廃業届、引継主体の免許、既存取引の結了を分けます。

申請書類を整理したファイルと筆記具
この記事の目次 8項目
  1. 事業の財産と免許は違う
  2. 合併消滅と存続法人
  3. 廃業等の届出
  4. 既存の取引はどう終えるか
  5. 確認問題
  6. 根拠条文を読む
  7. 関連する学習
  8. 出典・参照資料

宅建業免許は、相続や合併でそのまま承継できる免許ではありません。個人業者が死亡した場合や法人が合併で消滅した場合は、廃業等の届出と、営業を引き継ぐ主体に必要な免許を分けて考えます。既存契約の結了には別のみなし規定があります。

事業の財産と免許は違う

相続によって財産や契約上の地位を引き継ぐことと、行政上の宅建業免許を引き継ぐことは同じではありません。相続人が事務所や物件を取得しても、それだけで被相続人の免許番号を使って新しい宅建業を営むことはできません。

宅建業を継続するなら、引き継ぐ個人や法人について免許の要否を検討します。相続人が宅建士であるかどうかも、業者免許の承継を当然に認める条件にはなりません。個人資格と営業主体への免許を区別します。

合併消滅と存続法人

合併で消滅する法人の免許が、存続法人へそのまま移るという理解は誤りです。存続法人がすでに免許を持っている場合は、その法人の事務所配置や免許権者の変化等を検討します。免許のない法人なら、新たに営業するための免許の問題になります。

例えば、一県だけに事務所を持つ知事免許業者が、合併後に他県の事務所も持つなら、免許換えが問題になります。「合併だから届出だけ」とまとめず、消滅法人と存続法人を分けて手続を確認します。

廃業等の届出

死亡の場合は相続人がその事実を知った日から三十日以内、合併で消滅した場合は法人を代表する役員であった者が該当日から三十日以内に届け出ます。どちらも新しい営業主体の免許申請と同じ手続ではありません。

資料では、死亡・消滅した主体、引き継ぐ主体、届出者、営業を続ける主体を別の欄へ記します。同じ人物が複数の立場を兼ねていても、どの立場でどの義務を果たすかを分けると、届出者の取り違えを防げます。

既存の取引はどう終えるか

第76条は、一定の失効等の場合に、元業者又はその一般承継人を、既に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内で宅建業者とみなします。取引相手への履行を可能にする趣旨の制度であり、新規案件を増やす権限ではありません。

例えば、死亡前に成立した契約の引渡し等と、死亡後に別の顧客との媒介契約を新たに進めることを区別します。相続による免許承継を否定することと、既存取引を適法に結了する仕組みがあることは両立します。

確認問題

  1. 相続人が宅建士なら業者免許も自動承継しますか。いいえ。個人資格と営業免許は別です。

  2. 消滅法人の免許は存続法人へそのまま移りますか。いいえ。存続主体の免許と変更等を検討します。

  3. 第76条は新規営業を無期限に認めますか。いいえ。既存契約に基づく取引の結了の範囲です。

根拠条文を読む

以下は宅地建物取引業法第76条第1項の引用です。

第三条第二項の有効期間が満了したとき、第十一条第二項の規定により免許が効力を失つたとき、又は宅地建物取引業者が第十一条第一項第一号若しくは第二号に該当したとき、若しくは第二十五条第七項、第六十六条若しくは第六十七条第一項の規定により免許を取り消されたときは、当該宅地建物取引業者であつた者又はその一般承継人は、当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなす。

関連する学習

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出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23

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