既存の事務所等で専任宅建士の数が基準を下回ったときは、二週間以内に必要な措置を取ります。新しい事務所等を不足した状態で開設してよいという猶予ではありません。人数の確保と変更の届出を別々に管理します。
新設と既存の不足
法第31条の3第3項は、基準に抵触する事務所等を開設してはならないと定めています。一方、すでにある事務所等が後から抵触した場合には、二週間以内の措置を求めます。同じ人手不足でも、開設前と開設後で扱いが違います。
例えば、新規支店の開設時に「宅建士は二週間後に採用する」として不足のまま始めることは、この規定の趣旨に合いません。既存支店で退職等が起きた場合の補充期限を、新設支店の事前要件へ流用しないようにします。
不足した日と必要数
専任宅建士の退職だけでなく、従事者の増加等によって割合が下回る場合もあります。いつ基準に抵触したかを特定し、変更後の分母と必要人数を再計算します。宅建士証の状態や専任性を失った事情も、実際の体制へ影響します。
従事者五人・専任一人の事務所で一般の従事者が一人増えれば、六人に対して一人となり不足します。「宅建士が辞めていないから問題なし」とは判断できません。人数の変化と資格・勤務の状態を両方把握します。
必要な措置の考え方
要件を満たす専任宅建士を配置する等、法定基準へ適合させる措置を取ります。名義だけを借りて人数を埋めるのではなく、成年性又は法定のみなし、証の有効性、専任性等の条件を満たす必要があります。
別の事務所に専任で登録されている人を、同時に二事務所の専任として数えることもできません。配置の変更をする場合は、元の事務所側が不足しないかも再計算します。業者全体の資格者数ではなく、各事務所等の適法な体制を整えます。
二週間と三十日の違い
専任宅建士の変更に関する業者の変更届は、法第9条の三十日以内の問題です。二週間以内の適合措置と、変更した事実の届出は別の義務です。三十日以内に届出を出せば、二週間を超えた不足が当然に許されるわけではありません。
宅建士本人について勤務先等が変われば、遅滞ない変更登録も検討します。管理表には不足発生日、必要人数、配置の確定日、業者届出、本人の登録変更を分けます。数字の違う期限が同じ欄に混ざることを防げます。
条件を変えて考える
専任者が一人の五人事務所へ一般従事者を採用する計画なら、採用後の六人を分母にした必要人数を先に計算します。退職だけを不足の原因と考えないことが、体制管理の要点です。人員計画と専任者の配置を同じ日付表へ置き、基準へ抵触する日を把握します。
確認問題
新設事務所は不足のまま二週間開設できますか。いいえ。開設時に基準へ適合させます。
一般従事者が増えただけでも不足し得ますか。はい。割合の分母が変わるためです。
三十日以内の変更届が二週間の措置に代わりますか。いいえ。別々に必要な義務です。
根拠条文を読む
以下は宅地建物取引業法第31条の3第3項の引用です。
宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。
関連する学習
出典・参照資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
- 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。
この記事について質問する →