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論点宅建業法

手付金等の保全措置|5%・10%と1,000万円の両方を見る

手付金等の保全の少額例外は未完成5%以下・完成10%以下で、いずれも1,000万円以下です。受領分を合算します。

完成に近づいた新築住宅の工事現場
この記事の目次 11項目
  1. 論点の整理
  2. 結論
  3. 売主が倒産しても、渡したお金を守るための制度
  4. 「手付金等」は、手付という名前の金銭だけではない
  5. 未完成は5%、完成は10%が目安になる
  6. 具体的な数字で、二段階に判定する
  7. どのような保全方法でも使えるわけではない
  8. 所有権の登記等による例外と、20%の制限
  9. 出典・参照資料
  10. 次に学ぶ
  11. 関連記事

論点の整理

結論

自ら売主の宅建業者が非業者の買主から受け取る手付金等は、原則として受領前に保全します。少額による例外は、未完成なら代金の5%以下、完成なら10%以下で、いずれも1,000万円以下という両方の条件を満たす場合です。

売主が倒産しても、渡したお金を守るための制度

建物を引き渡される前に買主が手付や中間金を払い、その後に売主が倒産すると、物件もお金も確保できない危険があります。手付金等の保全措置は、こうした買主の金銭を守るための仕組みです。宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合が基本的な検討場面です。

個人売主を業者が仲介するだけの売買には、この自ら売主の規制をそのまま当てはめません。売主と買主の属性を確認してから、物件が工事完了前か完了後かを判断します。保全が必要かを、手付という名称だけで決めないことが出発点です。

「手付金等」は、手付という名前の金銭だけではない

ここでは、契約の締結日以後、引渡し前に支払われるもので、代金の全部又は一部として授受される金銭や、手付等の名目で代金へ充当される金銭が対象となります。中間金と呼べば対象から外れるわけではありません。

例えば、手付100万円を既に受け取り、次に代金の一部として中間金200万円を受け取るときは、既受領分との合計も問題となります。支払を小分けにして一回ごとの額を閾値以下へ下げるだけで、累計額の検討を省くことはできません。

未完成は5%、完成は10%が目安になる

工事完了前の売買では、手付金等の額が代金の5%以下、かつ1,000万円以下なら、少額による保全不要の例外を検討できます。工事完了後は割合の基準が10%以下となりますが、1,000万円以下という条件は残ります。

状態

割合の条件

金額の条件

工事完了前

代金の5%以下

1,000万円以下

工事完了後

代金の10%以下

1,000万円以下

「以下」なので境界と同額を含みます。一方、二つの条件のどちらか一つを満たせばよいという意味ではありません。割合が小さくても1,000万円を超えれば、この少額例外は使えません。

具体的な数字で、二段階に判定する

未完成物件の代金が3,000万円なら、5%は150万円です。他に受け取った金銭がない場合、150万円は5%以下かつ1,000万円以下なので、少額例外に該当します。151万円なら割合の条件を超えるため、この例外から外れます。

完成物件で代金が2億円、手付金等が1,500万円の場合、割合は7.5%です。10%以下でも、1,000万円以下ではないため少額例外には該当しません。高額物件ほど、割合だけを見て判断してしまわないことが重要です。例外を使えない場合に、受領前の保全措置が問題となります。

どのような保全方法でも使えるわけではない

工事完了前の物件では、銀行等の保証や保険による措置を確認します。工事完了後では、これらに加えて指定保管機関による保管等の方法があります。売主が自社の別口座へ移しただけで、法定の保全措置を講じたと扱えるわけではありません。

保全が必要な場合は、原則として措置を講じた後でなければ手付金等を受領できません。「いったん預かり、引渡し直前に保全する」という順番ではありません。また、必要な措置が講じられないときの買主の支払拒絶に関する規定もあります。金額だけでなく、受領と措置の前後を読みます。

所有権の登記等による例外と、20%の制限

買主への所有権移転の登記等がされた場合の例外もあります。少額でないから常に同じ結論となるのではなく、条文で別に設けられた例外の有無を確認します。ただし、売主名義で登記されているというだけでは、買主のための登記がある場合と同じではありません。

手付額の20%制限は宅建業法39条の別の規制です。保全をしたから代金の30%の手付を受け取ってよい、保全不要の額だから手付解除の規定も適用されない、といった結論にはなりません。適用条件、未完成か完成か、累計額、二つの少額条件、別の例外、受領前の措置の順で確認してください。

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出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日以降)(国土交通省)確認日 2026/10/22

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