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論点宅建業法

営業保証金と保証協会|1,000万円・500万円と60万円・30万円

営業保証金の本店1,000万円・支店等500万円と、保証協会の分担金を金額・支払先・取引開始手続で比べます。

営業保証金と保証協会:営業保証金、保証協会、取引相手の保護の関係を示す図
この記事の目次 11項目
  1. 論点の整理
  2. 結論
  3. 免許を受けただけで営業を開始できるわけではない
  4. 金額は、主たる事務所とその他の事務所で数える
  5. 保証協会へ入る場合は、別の仕組みになる
  6. 取引相手が取り戻せる範囲を区別する
  7. 分担金の額と、還付を受ける上限を混同しない
  8. 不足したとき、すぐ補充しなくてもよいのか
  9. 出典・参照資料
  10. 次に学ぶ
  11. 関連記事

論点の整理

結論

営業保証金は主たる事務所1,000万円、その他の事務所ごとに500万円です。保証協会の社員となる場合の弁済業務保証金分担金とは、支払先・金額・取引開始の手続が異なります。

免許を受けただけで営業を開始できるわけではない

宅建業の取引では、相手方に損害が生じたときの債権を保護する仕組みとして、営業保証金の供託制度が設けられています。免許を受けたことと、この供託等を終えて事業を開始できることは別です。営業保証金を利用する業者は、供託し、その旨を免許権者へ届け出た後でなければ事業を開始できません。

営業保証金は、事務所に保管しておけばよい資金ではありません。主たる事務所の最寄りの供託所に供託するものです。店舗ごとの従業員の人数や取引予定額を基に金額を決める制度でもありません。

金額は、主たる事務所とその他の事務所で数える

必要な営業保証金は、主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所一か所につき500万円です。主たる事務所1か所と支店2か所なら、1,000+500×2=2,000万円です。事務所が三つだから1,000万円を三倍する、という計算ではありません。

事務所の構成

営業保証金の額

主たる事務所のみ

1,000万円

主たる事務所+その他1か所

1,500万円

主たる事務所+その他2か所

2,000万円

新たな事務所を増設するときは、必要となる追加額の供託と届出を確認します。移転なのか増設なのか、法上の事務所に当たる場所なのかを読み、看板や案内所が増えたというだけで必ず500万円としないようにしてください。

保証協会へ入る場合は、別の仕組みになる

保証協会の社員である業者は、営業保証金の供託に代わる仕組みを利用します。業者が協会へ納める弁済業務保証金分担金は、主たる事務所60万円、その他の事務所一か所につき30万円です。協会は社員から納付された分担金を基礎に弁済業務保証金を供託します。

したがって、業者が60万円を自分で供託所へ供託すれば保証協会の社員になれる、という手続ではありません。営業保証金と分担金は、単に金額が安い方を自由な送金先へ払う二つの選択肢ではなく、誰へ何を納める制度かが異なります。

取引相手が取り戻せる範囲を区別する

営業保証金では、その業者との宅建業に関する取引によって生じた債権について、要件を満たす者が還付を受ける仕組みです。業者が備品を買った際の代金や、業者へ貸し付けた金銭など、業務に関係がありそうな債権すべてが対象になるわけではありません。

また、現行制度では宅建業者はこの取引相手方の保護の対象から除かれています。免許業者同士の取引なら、相手が取引業者であるという事情も確認します。保証協会の弁済業務でも、取引債権の性質や対象者などの要件がある点は同じです。

分担金の額と、還付を受ける上限を混同しない

協会へ60万円を納めた社員との取引について、一般の取引相手方が受けられる弁済の限度が60万円に限られるわけではありません。限度額は、その社員が社員でなければ供託すべき営業保証金の額に対応します。主たる事務所だけの社員なら、1,000万円という数字が問題になります。

ただし、個々の債権額、既にされた弁済、協会による認証などの手続も関係します。分担金の支払額から、特定の取引について受け取れる金額を直ちに決めないでください。問題で問われているのが業者の拠出額か、取引相手方を保護する限度かを分けます。

不足したとき、すぐ補充しなくてもよいのか

営業保証金から還付があり必要額に不足すると、業者には通知を受けた後の不足額供託と届出が問題となります。保証協会の社員については、協会が還付に対応した後の還付充当金等の制度があります。両者の手続名や支払先を混ぜないことが大切です。

基本問題では、まず営業保証金を自ら供託する業者か、保証協会の社員かを書き分け、その後に事務所数と必要額、営業開始前の手続、還付の対象を確認します。一つの金額だけで制度全体を覚えず、業者・供託所・協会・取引相手の間でお金がどう動くかを考えると整理できます。

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出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日以降)(国土交通省)確認日 2026/10/22
  3. 営業保証金について(広島県)確認日 2026/10/22

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