保佐は、重要な財産行為を中心に保護する制度
被保佐人が法律行為をするときは、民法13条1項に列挙された行為について保佐人の同意を要します。元本の領収・利用、借財・保証、不動産その他重要な財産に関する権利の得喪などが含まれます。
不動産を売る場合だけでなく、買う場合も重要な財産に関する権利の得喪として検討します。「代金が安い」「本人が得をする」という理由だけで、同意が不要になるわけではありません。法律上どの類型に当たるかを確認します。
借入れと保証は、金額だけで軽く扱わない
被保佐人Aが借金をする、又はBの債務を保証する場合、13条1項の借財・保証に当たります。保証ではAが直ちに金銭を受け取らなくても、将来他人の債務を負担する危険があるため、同意の対象になります。
逆に、日用品の購入その他日常生活に関する行為は、同意を要する行為から除かれます。保佐制度の対象になったからといって、日々の買い物まで一律に保佐人の同意が必要と説明しないようにします。
場面 | 確認する内容 |
|---|---|
土地の売買 | 重要な財産に関する権利の得喪 |
借金・他人の債務の保証 | 借財又は保証として同意を検討 |
相続の承認・放棄、遺産分割 | 13条の列挙行為を確認 |
日用品の購入等 | 日常生活に関する行為として除外 |
列挙されていない行為 | 同意権を追加する審判の有無も確認 |
同意を得なかった契約は、当然無効ではない
必要な同意又はこれに代わる許可を得ずにした行為は、取り消すことができます。本人が締結した時点で当然に無効という制度ではありません。問題文に「保佐人の同意がなかった」とあれば、対象行為かを確認してから取消しを検討します。
また、保佐人が本人の利益を害するおそれがないのに同意しない場合、家庭裁判所が同意に代わる許可を与える仕組みがあります。保佐人の反対があると、本人は何もできなくなると理解しないでください。
同意権と代理権は別に設定される
保佐人に同意権があることと、本人に代わって契約を結ぶ代理権があることは同じではありません。保佐人が不動産売買を代理するには、その行為について代理権を付与する審判等の内容を確認する必要があります。
実際の取引では、制度名だけで権限を決めず、登記事項証明書等で同意権・代理権の範囲を確認します。試験でも「保佐人だから当然にすべての契約を代理できる」という選択肢は、二つの権限を混同しています。
補助との違いを一文で説明する
保佐では法律上列挙された重要行為が同意の対象になり、追加の審判もあり得ます。補助では、特定の行為について同意権を付与する審判の内容から範囲を確かめます。制度名の印象ではなく、どこから対象行為が決まるかを比較します。
出典・参照資料
- 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
- 成年被後見人等の居住用不動産の処分についての許可(裁判所)確認日 2026/10/28
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