補助を受けている、だけでは対象行為が分からない
被補助人が契約をする場合、最初に見るのは同意権付与の審判の内容です。民法17条は、13条1項に規定する行為の一部について、補助人の同意を要する旨の審判ができるとしています。
例えばAについて、不動産の処分を同意の対象とする審判があるとします。Aが土地を売る場合はその範囲を確認しますが、日用品を購入する場面まで同じ同意が必要になるわけではありません。「被補助人は何をしても取消しができる」という理解は誤りです。
本人の意思と、保護する範囲を大切にする
本人以外の者の請求により同意権付与の審判をするには、本人の同意が必要です。制度を利用するか、どの行為について支援を受けるかという点でも、本人の意思が関わります。
ただし、本人の同意が必要という制度上の条件と、個々の売買契約で補助人の同意が必要という条件は別です。前者は審判についての問題、後者は審判後の法律行為についての問題なので、問題文の時点を区別します。
同意を欠く場合に取消しを検討する
審判で同意が必要とされた行為を、補助人の同意又はこれに代わる許可なしに行った場合、その行為は取り消すことができます。範囲外の契約まで、この理由で一律に取り消せるわけではありません。
例えば「不動産の売却」が対象でも、審判の具体的な文言を確かめずに、あらゆる金銭取引や贈与の受領も対象だと広げないようにします。対象の行為、本人が実際にした行為、同意の有無を照合します。
確認する資料・事実 | 分かること |
|---|---|
同意権付与の審判 | どの行為に同意を要するか |
個々の契約の内容 | 審判で定められた行為に当たるか |
補助人の同意又は裁判所の許可 | 取消しの原因があるか |
代理権付与の審判 | 補助人が本人に代わってできる行為 |
同意できることと、契約を代理できること
補助人が「本人の契約に同意する」権限と、「本人に代わって意思表示する」代理権は異なります。同意権が付いているからといって、補助人が当然に契約当事者として署名できるわけではありません。
Aが自分で契約して補助人が同意する場面と、補助人がAの代理人として契約する場面を分けて書くと、必要な権限が分かります。代理権だけが付与されている場合に、当然に同意権・取消権もあると推論することも避けます。
保佐との比較は「どこで範囲が決まるか」
保佐では13条1項の列挙行為が基本の対象です。補助では、その列挙行為の一部について、個別の審判が範囲を定めます。どちらも保護制度ですが、対象の決まり方を同じにしないことが重要です。
相手方が契約の効力を確定したい場合には、誰に催告し、何の返答を求めたかが問題になります。相手方の催告と被保佐人の重要行為で、制度の違いを確認してください。
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出典・参照資料
- 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
- 成年被後見人等の居住用不動産の処分についての許可(裁判所)確認日 2026/10/28
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