論点の整理
要件
- 建替えと売却は異なる
- 決議事項を具体的に確認する
- 旧法・現行法と事業手続を分ける
間違えやすい点
- 建替えと敷地売却は同じ決議ですか。
- 決議だけで建築確認等も不要になりますか。
マンション再生の決議は、建替え、建物・敷地の売却、取壊し等の手法を分けて確認します。対象となる建物の状態と決議の種類によって要件が変わるため、「再生はすべて同じ多数」とは扱いません。
建替えと売却は異なる
建替えは既存建物を取り壊し新しい建物を建てる方法です。建物と敷地を売る、建物を取り壊して敷地を売るなどの方法とは、決める内容とその後の権利処理が違います。
決議事項を具体的に確認する
費用の概算、負担、再建後の区分所有権の帰属など、法律が求める事項を決議する必要があります。建替えに賛成したかどうかだけでなく、何について合意したかが重要です。
旧法・現行法と事業手続を分ける
法改正の施行前の資料や古い過去問では決議要件が現行と異なることがあります。決議の成立と、反対者への売渡請求、事業の認可等は別の段階です。施行日と経過措置を示した原文に沿って判断します。
根拠となる条文
集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剝離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。 法務大臣は、前項各号の基準を定め、又はこれを変更するときは、あらかじめ、国土交通大臣と協議するものとする。 建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額 前号に規定する費用の分担に関する事項 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項 前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。 建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。 ただし、この期間は、規約で伸長することができる。 前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、会議の目的たる事項及び議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。 建物の建替えを必要とする理由 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額 第六項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。 第三十五条及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。 前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。
建替え決議があつたときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかつた区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。 集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。 この場合において、当該集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。 第一項に規定する区分所有者は、同項の規定による催告を受けた日から二月以内に回答しなければならない。 前項の期間内に回答しなかつた第一項に規定する区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなす。 第三項の期間が経過したときは、建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により区分所有権及び敷地利用権を買い受けることができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から二月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。 建替え決議があつた後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。 前項の規定による請求があつた場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。 建替え決議の日から二年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、第五項の規定により区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。 ただし、建物の取壊しの工事に着手しなかつたことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。 この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
比較して確認する
確認すること | 判断の手掛かり |
|---|---|
建替えと売却は異なる | 建替えは既存建物を取り壊し新しい建物を建てる方法です。建物と敷地を売る、建物を取り壊して敷地を売るなどの方法と… |
決議事項を具体的に確認する | 費用の概算、負担、再建後の区分所有権の帰属など、法律が求める事項を決議する必要があります。建替えに賛成したかど… |
旧法・現行法と事業手続を分ける | 法改正の施行前の資料や古い過去問では決議要件が現行と異なることがあります。決議の成立と、反対者への売渡請求、事… |
学習用の具体例
老朽マンションを売却して区分所有関係を解消する案と、建替えて再入居する案が出た場合、同じ議案として数えることはできません。計画の対象、費用、決議事項、反対者の扱いをそれぞれの制度で確認します。
確認問題
問1:建替えと敷地売却は同じ決議ですか。
解説:目的と権利処理が異なるため区別します。
問2:決議だけで建築確認等も不要になりますか。
解説:建築・事業上の手続は別に必要です。
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出典・参照資料
- 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/25
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