停止条件では、条件が成就した時から法律行為の効力が生じます。解除条件では、既に生じている効力が条件成就によって失われます。将来の出来事が不確実か、必ず到来する期限なのかを分けたうえで、効力の開始と終了を読み取ります。
条件の前後で効力を書く
「一定の資格を取得できたら贈与する」という合意を、将来の資格取得が不確実なものとして考えます。資格取得を効力発生の条件にしたなら停止条件です。一方、「特定の出来事が生じたら使用を認める契約が終了する」という合意なら、効力を失わせる解除条件を検討します。
種類 | 条件成就前 | 条件が成就した時 |
|---|---|---|
停止条件 | 効力発生を待つ | 効力が生じる |
解除条件 | 効力がある | 効力を失う |
第127条は当事者が効果を成就前へさかのぼらせる意思を表示した場合の扱いも定めています。原則の時点と、当事者が置いた特約を分けて読みます。
期限との違い
条件は将来の不確実な事実に効力を結び付けるものです。これに対して、到来することが確実な事実に結び付ける期限は別に考えます。単に「いつか分からない」だけで条件だと決めず、その事実が起こること自体が確実かを確認します。
不動産の契約では、融資に関する特約の表現が問題になります。融資承認を停止条件とするのか、融資が得られない場合に解除できる権利を設けるのか、当然に失効する約定なのかは文言によって異なります。「ローン特約」という名前だけで効果を一つに決めず、誰がいつ何を通知するのかも確認します。
条件成就を妨げた場合
条件が成就すると不利益を受ける当事者が、故意にその成就を妨げた場合、第130条第1項により相手方は成就したものとみなすことができます。逆に、成就で利益を受ける当事者が不正に条件を成就させた場合には、相手方は成就しなかったものとみなすことができます。
例えば買主の審査協力が前提の条件について、単に結果が出なかったことと、当事者が故意に妨げたことは別です。誰が利益・不利益を受けるか、どのような行為をしたか、故意や不正という要件があるかを確かめます。条件が実現しなかったという結果だけで条文を適用しません。
条件自体に問題がある場合
不法な条件や不能な条件、債務者の意思のみに係る停止条件などには別の規定があります。すべての条件を有効な前提で計算するのではなく、条件を付ける行為と条件の内容が許されるかを確認します。
学習では、まず有効な条件について効力の始まり・終わりを説明し、その後に条件の妨害や不正成就を追加します。一つの事例に多数の例外を最初から混ぜるより、条件の種類、成就の有無、当事者の行動という三段階で判定すると、どの条文で結論が変わるかが分かります。
確認問題
停止条件は、条件が成就すると効力が終了するものですか。いいえ。原則として成就時に効力が生じます。
融資に関する特約は、名称だけで必ず停止条件と判断できますか。いいえ。合意された文言と効果を確認します。
不利益を受ける当事者が故意に成就を妨げたとき、相手方は成就とみなせる場合がありますか。はい。第130条の要件を確認します。
通知の時点は意思表示の到達、契約の効果は無効と取消しも参照してください。宅建の学習入口へ戻れます。
続けて学ぶ論点
出典・参照資料
- 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/22
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