容積率の延べ面積には、住宅等の一定の地下部分、車庫等、共同住宅等の共用廊下・階段等を算入しない仕組みがあります。それぞれ用途、構造、上限の条件が違います。床面積そのものが存在しなくなるのではなく、容積率算定上の取扱いです。
住宅等の地階の条件
建物の地階で、天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅・老人ホーム等の用途部分は、所定の上限まで不算入となります。上限は当該建物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積合計の三分の一です。
すべての地下店舗や地下倉庫が同じ不算入になるわけではありません。地階か、天井の位置、用途、対象部分の面積、上限を順に確認します。地盤面の定義や共用部分との関係も、法令の計算条件に沿って扱います。
車庫等の五分の一
自動車車庫等部分については、施行令第2条の対象と上限を確認します。敷地内の建築物の各階床面積合計等に対して五分の一という限度があります。車庫が大きければ全量を無制限に除ける仕組みではありません。
例えば、対象となる全床面積が600㎡で、車庫部分が150㎡とする単純な学習例では、不算入限度は120㎡です。150㎡を全部引くのではなく、上限を超える三十㎡は容積率算定に残ることになります。他の不算入等があれば、その関係も別に検討します。
共用廊下・階段等
共同住宅又は老人ホーム等の共用の廊下・階段等について、法第52条第6項の不算入を確認します。戸建住宅の内部廊下や、事務所の共用廊下を、用途の区別なく同じ規定へ入れることはできません。
政令で定める昇降機の昇降路等も、別の対象として規定されています。近年の改正で規定された設備部分等を含め、対象、要件、認定等の有無を現行条文で確認します。共用又は設備という呼び名だけで、何でも除外するのは誤りです。
分母と分子を混ぜない
道路後退部分は敷地面積の扱い、地下部分等の不算入は容積率の分子となる延べ面積の扱いです。どちらも数字を減らすから同じ、という整理ではありません。建築面積を求める建ぺい率の計算とも区別します。
計算用の表には、総床面積、各対象部分、法定の不算入上限、実際の不算入面積、算定用延べ面積を並べます。確認申請、登記、課税等で使う面積の定義が同じとは限らないため、何の制度の面積かを明示します。
条件を変えて考える
地下部分が住宅と店舗に分かれている例では、床面積を用途別に区分します。地階という位置が同じでも、住宅等に関する規定を店舗へ広げません。さらに対象部分の面積と法定の上限を比べます。位置・用途・上限の三つを順に判定することで、地下なら全部引けるという誤りを防げます。
確認問題
地下にある店舗はすべて住宅地階の三分の一不算入ですか。いいえ。用途等の条件が違います。
全床600㎡・車庫150㎡なら、車庫の上限五分の一は何㎡ですか。120㎡です。
不算入は実際の床が存在しないことを意味しますか。いいえ。容積率算定上の取扱いです。
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出典・参照資料
- 建築基準法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
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