計算の要点
計算式
再調達原価=事例建設費×価格時点指数÷建設時指数+価格時点の別途付帯費用
計算の条件
- 事例建設費4800万円
- 建設時指数100
- 価格時点指数120
- 価格時点の別途付帯費用400万円
計算手順
- 指数比120÷100=1.2
- 4800×1.2=5760万円
- 5760+400=6160万円
具体例
- 本文の「計算条件」に示した独自の学習例。数値は市場データではなく、入力の範囲と発生時点を固定する。
答え
6160 万円
建設事例を利用して再調達原価を求めるときは、事例の建設時点の費用を価格時点の水準へそろえます。費用の範囲、構造・仕様、面積等の条件を確認したうえで時点修正を行い、必要な通常の付帯費用を加えます。指数を掛けるだけで、異なる仕様の建物を同じ原価にできるわけではありません。
計算条件
対象建物と同じ構造・仕様・規模にそろえた標準的建設費が、事例の建設時点で4800万円と把握できた学習例です。その他の条件差は調整済みとし、価格時点へ時点修正します。
項目 | 与えられた値 |
|---|---|
事例建設費 | 4800万円 |
建設時点の費用指数 | 100 |
価格時点の費用指数 | 120 |
別途加える通常の付帯費用 | 400万円 |
付帯費用400万円は、価格時点の金額であり、事例建設費には含まれていない条件とします。どちらかの条件が違えば式も変わります。
時点をそろえてから費用を加える
建設費の時点修正率を120÷100=1.2と求めます。
4800×1.2=5760万円として、価格時点の標準的建設費を求めます。
既に価格時点の額で与えられた付帯費用400万円を加えます。
5760+400=6160万円が、この条件での再調達原価です。
価格時点の費用水準が高いため、建設費の修正額が事例額より増えていることを確認します。指数の比を逆にすると4000万円となり、値上がりの条件と整合しません。
面積や費用範囲が違う場合
事例が一棟総額で与えられ、対象建物と面積が違うなら、比較できる面積基準の単価や明細へ整理する必要があります。延べ面積、施工面積、専有面積など、異なる分母の単価を混ぜないでください。
また、事例費用に設計費等が既に含まれる場合、それと同じ費用を付帯費用として再度加えると二重計上になります。明細の内容と、通常の発注者負担として何を加えるかを確認することが、指数の計算に先行します。
減価修正は別の段階
6160万円は、この設例で再び調達すると想定した原価です。現存する中古建物の積算価格を求めるなら、さらに物理的・機能的・経済的な減価を検討します。過去の建設費を現在化することと、既存建物の劣化を反映することは別の作業です。
例えば、別途求めた減価額が1200万円なら、積算価格は6160−1200=4960万円となります。建設費の指数に経過年数による減価を勝手に含めると、後の減価修正との二重計上が起きやすくなります。
付帯費用も事例の建設時点の額で与えられる別の設例なら、その費用の変動をどの資料で修正するかも確認します。建設費と同じ指数で動くと指定されていない費用まで、一括で同じ倍率を掛けることはできません。すでに価格時点へ直した費用と、未修正の費用を書き分けます。
確認問題
問1:建設費3000万円、建設時指数100、価格時点指数110、価格時点の別途付帯費用200万円なら、再調達原価はいくらですか。
3000×110÷100+200=3500万円です。付帯費用は既に価格時点の額という条件なので、110÷100を再度掛けません。
問2:土地の価格指数を、建物の建設費の時点修正へ無検討に使えますか。
使えません。変動させる対象が異なります。建設費の範囲、構造、地域等に対応する資料かを確認する必要があります。
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出典・参照資料
- 不動産鑑定評価基準(国土交通省)確認日 2026/10/23
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