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実務手続宅建業法

営業保証金の取戻し公告が必要な場合と不要な場合は?

営業保証金の取戻しの6か月以上の公告と、供託所移転・協会加入・10年経過等の公告不要を比べます。

営業保証金の取戻しの手順を示す図
この記事の目次 14項目
  1. 手続の要点
  2. 概要
  3. 必要書類
  4. 手順
  5. 期限
  6. 費用
  7. 注意点
  8. 取戻しの理由と金額を確認する
  9. 原則は6か月以上の公告を行う
  10. 公告を省略できる場合を分ける
  11. 公告終了後も証明資料をそろえる
  12. 確認問題
  13. 次に学ぶ
  14. 出典・参照資料

手続の要点

概要

取戻しの事由と額を確かめ、公告の要否を判定してから、公告・届出・証明書の取得・供託所での請求へ進みます。

必要書類

  • 免許失効・廃業・事務所廃止等を確認する資料
  • 官報公告の資料と免許行政庁への届出書
  • 債権の申出に関する証明書等、取戻し原因を証する供託所所定の資料

手順

  1. 取戻し可能な事由と対象額を確認する
  2. 法30条2項の公告が必要かを判定する
  3. 必要な場合は官報公告を行い、免許行政庁へ遅滞なく届け出る
  4. 公告期間終了後の証明書等をそろえ、供託所で取戻しを請求する

期限

  • 原則として6か月を下らない申出期間を定めます。公告後の免許行政庁への届出は遅滞なく行います。

費用

  • 官報への公告費用等を事前に確認します。

注意点

  • 取引の相手方への還付と、供託した業者側の取戻しを区別します。

営業保証金を取り戻せる事由が生じても、通常はすぐに全額を引き出せません。取引の相手方に還付を受ける機会を残すため、原則として6か月以上の申出期間を設け、公告を経て手続を進めます。まず取戻しの理由を特定し、公告が必要かどうかを分けます。

取戻しの理由と金額を確認する

免許の有効期間満了、廃業などによる免許の失効、取消し等で営業保証金を取り戻す場合と、支店を廃止して必要額を上回った部分を取り戻す場合があります。支店を一つ廃止したからといって、本店に必要な保証金まで回収できるわけではありません。

例えば、本店と支店一か所で供託していた業者が支店だけを廃止するなら、事務所配置の変更後に必要な額と、現在の供託額を比べます。取戻し対象は、その結果生じる超過額です。廃業等の手続と、供託所に対する払渡請求は別の手続として管理します。

原則は6か月以上の公告を行う

法30条2項の公告では、営業保証金から弁済を受ける権利を持つ人に対し、6か月を下らない一定期間内に申し出るよう知らせます。営業保証金規則7条は、商号、事務所所在地、対象額、申出先等を官報で公告する仕組みを定めています。

公告した業者等は、遅滞なくその旨を免許行政庁へ届け出ます。「会社のウェブサイトで半年掲載した」「取引先へ口頭で伝えた」という対応だけで、所定の公告を行ったことにはなりません。申出書の提出先が供託所ではなく、免許行政庁である点も手順表へ入れます。

公告を省略できる場合を分ける

主たる事務所の移転で供託所が変わり、有価証券を含むため新しい供託所へ法29条1項の供託をした場合、旧供託分の取戻しは通常の公告の対象から除かれます。新供託が先に行われ、営業保証金が重なっている場面です。

保証協会の社員となり、法64条の13によって営業保証金を供託する必要がなくなった場合は、64条の14による取戻しを確認します。この場面でも、通常の6か月以上の公告を経る制度とは区別します。協会へ加入を申し込んだだけでなく、法定の供託免除となる状態に至っているかを確認します。

また、取戻しできる事由が発生した時から10年を経過した場合には、法30条2項ただし書を確認します。「営業開始から10年」でも「最後の契約から10年」でもありません。どの事由を起点に期間を数えるかが異なります。例外に該当しても、供託所で取戻し原因を証明する準備は必要です。

公告終了後も証明資料をそろえる

公告期間中に申出がなかった場合、公告の届出をした者は、免許行政庁へその旨の証明書の交付を請求できます。申出があった場合にも、その申出書と債権総額に関する証明書について規則8条の仕組みがあります。申出の有無を無視して、「期間だけ過ぎたので全額を回収する」と進めないことが必要です。

提出する公告の写しや証明願の部数、窓口での扱いは免許行政庁の案内で確認します。供託所には、請求者の権限、供託内容、取戻し原因等に応じた資料を用意します。公告、届出、期間満了、証明書交付、払渡しを別々の日付欄で記録すると、途中の作業を飛ばしにくくなります。

確認問題

問1 廃業届を提出しただけで、その日に営業保証金を当然に全額取り戻せますか。

答えは、取り戻せません。取戻し事由のほか、原則として公告と申出期間等の手続を確認します。

問2 10年の例外は、営業開始の日から数えますか。

答えは、違います。取戻しができる事由が発生した時からの経過期間です。

問3 新供託を済ませた本店移転に伴う旧供託分の取戻しは、廃業による取戻しと同じ公告が必要ですか。

答えは、違います。法29条1項の供託に伴う旧供託分は、法30条2項の公告から除かれています。

次に学ぶ

出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
  2. 宅地建物取引業者営業保証金規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
  3. 営業保証金の供託及び宅地建物取引業保証協会への入会・変更に関する届出について(愛知県)確認日 2026/10/23

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