手続の要点
概要
主たる事務所の移転前後の供託所と供託物の種類を確認し、保管替え又は新規供託を行います。
必要書類
- 現在の供託書等、供託内容を確認する資料
- 保管替えの請求又は新規供託に必要な供託所所定の書類
- 免許行政庁への供託届出等の資料
手順
- 移転前後の主たる事務所の最寄り供託所を調べる
- 供託物が金銭のみか有価証券を含むかを確認する
- 金銭のみなら旧供託所へ保管替えを請求し、その他なら新供託所へ供託する
- 供託後の届出と、二重供託になった旧供託金の取戻しを確認する
期限
- 供託所が変わる場合の保管替え請求又は新規供託は、法29条により遅滞なく行います。
費用
- 保管替えでは費用の予納が必要です。金額・納付方法は供託所で確認します。
注意点
- 支店の移転だけで主たる事務所の最寄り供託所が変わらない場合と区別します。
主たる事務所を移転し、その最寄りの供託所が変わったときは、営業保証金も新しい所在地に対応させます。金銭だけで供託しているか、有価証券が含まれているかによって、選ぶ手続が異なります。移転の際は免許換えや変更届だけで作業を終えないようにします。
供託所が本当に変わるかを先に確認する
営業保証金は、主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。住所が変わったという事実だけで、必ず供託所の移転手続が生じるわけではありません。同じ供託所の管轄内で移転する場合と、最寄りの供託所が別になる場合を分けます。
また、従たる事務所である支店だけを移した場合は、主たる事務所の供託先が変わるかを別に確認します。業務で扱う物件の所在地が他県になったというだけでも、この手続の理由にはなりません。新旧の本店所在地、供託所名、現在の免許権者を対照して整理すると判定しやすくなります。
金銭だけなら保管替えを請求する
金銭のみで営業保証金を供託しているときは、旧供託所に対して新供託所への保管替えを請求します。法29条は、費用を予納して遅滞なく請求することを求めています。供託金をいったん自社口座へ払い戻してから任意に移す、という手順ではありません。
準備するのは、現在の供託内容、移転後の事務所の所在地、保管替え先などを確認できる資料です。請求書の様式、代理人による手続、費用の納付方法は供託所の案内に従います。移転準備の段階で相談し、移転日と請求日、届出日を記録しておきます。
有価証券を含むなら新たに供託する
有価証券だけの場合や、金銭と有価証券を併用している場合は、金銭のみの保管替えと同じ扱いにはできません。移転後の主たる事務所の最寄りの供託所へ、新たに営業保証金を供託します。その後、移転前の供託所に残る営業保証金を取り戻す順序です。
新しい供託を行ったために旧供託分が重なって残る場合の取戻しは、法30条2項の公告を要する通常の取戻しから除かれています。廃業時の取戻しと混同して、必ず6か月待たなければならないと考えないようにします。新供託の事実を確認する書類や取戻しに必要な資料は、旧供託所で確かめます。
二つの例で順序を比べる
例Aは、主たる事務所の移転で供託所が変わり、営業保証金の全額が金銭である業者です。この場合は旧供託所へ保管替えを請求します。必要な額が適切に引き継がれるよう、現在の供託書の内容を照合します。
例Bは同じ移転でも、有価証券を営業保証金に充てている業者です。新供託所へ必要な営業保証金を供託した後、旧供託分の取戻しを行います。旧供託分を先に取り戻して、一時的に必要額を欠く状態にする手順ではありません。免許換えが別途必要かどうかも、新旧の事務所配置から確認します。
確認問題
問1 本店を移したものの、最寄りの供託所は変わりませんでした。法29条の保管替えを必ず行いますか。
答えは、必ず行うとはいえません。この条文は、移転によって最寄りの供託所が変更した場合を対象にしています。
問2 金銭と有価証券を併用している場合、金銭部分だけを保管替えすればよいでしょうか。
答えは、違います。金銭のみの供託の場合と分け、新しい供託所への供託を行います。
問3 移転による新供託後の旧供託分の取戻しでも、通常の6か月以上の公告が必要ですか。
答えは、不要です。法29条1項により新たに供託した場合の旧供託分は、法30条2項の公告の対象から除かれます。
次に学ぶ
出典・参照資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
- 宅地建物取引業者営業保証金規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
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