手続の要点
概要
事務所ごとに従業者を記録し、異動・退職等を更新して、閲覧と最終記載日からの保存に対応します。
必要書類
- 施行規則別記様式第8号の2に対応する名簿又は電子記録
- 氏名・従業者証明書番号・職務・宅建士該当性等を確認する資料
- 入退職・事務所異動の日付が分かる記録
手順
- 事務所ごとに在籍する従業者を整理する
- 氏名・証明書番号と規則所定事項を記載する
- 入退職等に合わせて更新し、取引関係者の閲覧に対応する
- 最終記載日を管理し、そこから10年間保存する
期限
- 保存期間は最終の記載をした日から10年間です。帳簿の事業年度末の閉鎖日を起点にしません。
注意点
- 現行の規則17条の2では、生年月日は名簿の法定記載事項に含まれていません。旧教材の一覧をそのまま使わないようにします。
従業者名簿は、事務所ごとに備える従業者の記録です。従業者証明書の番号や職務等を名簿へ結び付け、入退職や事務所の異動に応じて更新します。保存は最終の記載をした日から10年間であり、取引帳簿の保存期間とは起点も扱いも異なります。
記載する事項を現行規則で確認する
法48条は、従業者の氏名と従業者証明書の番号等を記載することを求めています。施行規則17条の2では、主たる職務内容、宅建士であるか否か、当該事務所の従業者となった年月日、従業者でなくなった場合の年月日を定めています。別記様式第8号の2と合わせて確認します。
現行の規則では、生年月日はこの名簿の法定記載事項に含まれていません。古い一覧に生年月日が載っていても、現行の必須事項として転記しないようにします。会社が別の人事管理上の理由で保有する情報と、宅建業法の名簿へ記載する情報は区別して整理します。
事務所ごとの在籍と変化を記録する
名簿は会社全体に一つあれば必ず十分というものではなく、事務所ごとに備えます。従業者が別の事務所へ異動した場合には、旧事務所と新事務所での記録を対応させます。宅建士に合格しただけで、直ちに宅建士である旨の記録を更新できるかなども、その資格状態を資料で確かめます。
入社日と、その事務所の従業者となった日が常に一致するとは限りません。例として、入社後は本店で勤務し、その後支店へ移った人なら、支店での従業開始日を記録する必要があります。日付を人事情報からまとめてコピーする際にも、何を示す欄かを確認します。
閲覧と電子管理の条件
取引の関係者から請求があった場合、業者は名簿を閲覧に供する必要があります。従業者の情報だからといって、法の求める閲覧を一律に拒む運用にはしません。一方で、一般にウェブで公開して誰でも自由に検索できる名簿にする義務とは異なります。請求者と取引との関係を確認して対応します。
電子管理も可能ですが、必要に応じてその事務所で明確に紙面へ表示できることが条件です。電子管理の閲覧は、紙面又は機器の画面に表示する方法で行えます。担当者だけがアクセスでき、休暇中は誰も出力できない、といった状態にならないようにします。
最終記載から10年を管理する
保存期間の起点は、最終の記載をした日です。各事業年度末に閉鎖し、その後5年間を基本に保存する取引帳簿とは区別します。従業者が退職したからといって、直ちにその人の記録や名簿全体を削除してよいわけではありません。
電子記録では、更新や移行の後にも、過去の必要な記録を表示できるようにします。システムを変更するときは、保存が必要な名簿の出力方法とバックアップを確認します。「最新の在籍者だけが一覧で見える」機能と、「保存すべき名簿を保持している」ことを別々に点検します。
確認問題
問1 従業者名簿は、事業年度末に閉鎖した日から原則5年間保存しますか。
答えは、違います。名簿は最終の記載をした日から10年間保存します。
問2 名簿の電子管理では、その事務所で必要に応じて明確に紙面へ表示できる状態が必要ですか。
答えは、必要です。データとして存在するだけで、所定の出力等へ対応できない状態では足りません。
問3 現在も生年月日が、規則17条の2による名簿の必須記載事項ですか。
答えは、違います。現行条文・様式を確認し、過去の記載事項と混同しないようにします。
次に学ぶ
出典・参照資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
- 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
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