手続の要点
概要
業務に従事する者へ所定の従業者証明書を交付し、携帯・提示と名簿との対応を管理します。
必要書類
- 施行規則別記様式第8号に対応した従業者証明書
- 交付対象者の所属・職務等を確認する資料
- 従業者名簿と交付・回収の管理記録
手順
- 宅建業に従事する者と所属事務所を整理する
- 所定様式の従業者証明書を交付して名簿と照合する
- 業務に従事するときの携帯と請求時の提示を周知する
- 退職・異動等に応じて回収や記載内容等を管理する
期限
- 携帯させずに業務へ従事させないよう、業務開始までに準備します。
注意点
- 宅建士証を持つ従業者も、従業者証明書の携帯を省略できるわけではありません。
従業者証明書は、その人が宅地建物取引業者の従業者であることを示す書類です。宅建業法48条は、業者が従業者へ携帯させなければ業務に従事させてはならないと定めています。宅建士の資格の有無だけを見て、交付の対象を決めないようにします。
宅建士証・社員証との役割の違い
宅建士証は、その人が宅地建物取引士であることを示します。従業者証明書は、特定の宅建業者の従業者であることを示すものです。同じ人が両方を持つ場面があり、片方を持っているからもう片方が不要になるという関係ではありません。
会社が発行する一般的な社員証も、法定の従業者証明書と同じものとは限りません。施行規則別記様式第8号を確認し、必要な様式に対応するものを用意します。取引相手から見れば、資格を確認することと、どの業者の業務として訪問・説明している人かを確かめることは別の確認になります。
交付対象と所属を整理する
宅建業に従事する者の範囲を整理し、担当者の雇用区分や肩書だけで機械的に除外しないようにします。宅建士だけに交付する運用では、資格のない従業者が物件の案内等に従事する場面へ対応できません。所属事務所と実際に行う業務を確認します。
証明書の番号、氏名、所属等は、事務所に備える従業者名簿の記録と照合します。別人の証明書を共用したり、退職した担当者の証明書を新しい担当者へ渡したりしないよう、交付と回収を個人ごとに管理します。異動や氏名変更等の際には、内容が現状に合うかを確認します。
携帯と提示は場面を分けて覚える
業務に従事するときは携帯が必要です。事務所の引き出しへ保管したまま外で業務を行う状態では、携帯したことになりません。また、取引の関係者から請求された場合には提示しなければなりません。「会社に問い合わせれば所属が分かる」と説明して提示を避けないようにします。
宅建士証の提示には、重要事項説明の開始前など、その資格に関する別のルールがあります。従業者証明書について、常に自発的な提示だけが問題になると覚えると、請求時の義務を見落とします。誰が、どの証明書を、どの場面で示すのかを比較して整理します。
具体例と交付・回収の管理
宅建士である社員Aが物件の案内をし、相手から「どの会社の方ですか」と従業者証明書の提示を求められたとします。Aが宅建士証を持っていても、それを理由に従業者証明書の携帯・提示を省くことはできません。業者は、Aへ必要な証明書を交付し、案内の前に携帯を確認する運用を用意します。
退職時には、会社の鍵や端末とともに従業者証明書も回収の対象にします。回収できなかった場合の対応や、紛失時の社内連絡、再交付の記録も定めておくと、古い証明書を使った業務上の誤認を防ぎやすくなります。これらの管理記録は、法令上の名簿記載と区別して整えます。
確認問題
問1 宅建士証を持っている従業者には、従業者証明書を携帯させなくてもよいでしょうか。
答えは、違います。二つの証明書は役割が異なり、従業者証明書の携帯義務がなくなるわけではありません。
問2 取引の関係者から提示を求められたとき、会社への電話確認で必ず代えられますか。
答えは、代えられません。法48条2項に基づき、従業者証明書を提示する必要があります。
問3 資格を持たない従業者には、業務の内容を確認せず交付不要と決めてよいですか。
答えは、いけません。宅建業の業務に従事する者について、証明書の準備と携帯を管理します。
次に学ぶ
出典・参照資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
- 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
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