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実務手続宅建業法

35条・37条の電子交付で事前承諾をどう取得する?

35条・37条等の電子交付で方法・形式を示して事前承諾を得る手順を学び、IT重説の意向確認と区別します。

電子交付の事前承諾の手順を示す図
この記事の目次 13項目
  1. 手続の要点
  2. 概要
  3. 必要書類
  4. 手順
  5. 期限
  6. 注意点
  7. IT重説と書面電子化の承諾を区別する
  8. 承諾前に提供の方法と利用環境を説明する
  9. 承諾は後から確認できる形で残す
  10. 承諾後の交付と意向変更の例
  11. 確認問題
  12. 次に学ぶ
  13. 出典・参照資料

手続の要点

概要

電子書面の提供方法を説明し、紙又は紙に出力可能な方法で承諾を取得してから、要件を満たす電子書面を提供します。

必要書類

  • 電子提供する対象書面・提供方法・ファイル形式等の説明資料
  • 相手方の承諾内容と日時を記録した紙又は電子データ
  • 交付した電子書面、改変確認方法と交付・受領確認の記録

手順

  1. 対象書面と電子提供方法、相手方の利用環境を確認する
  2. ファイル形式、改変確認方法、紙での提供へ変更できること等を説明する
  3. 相手方ごとに事前承諾を取得し、記録を保管する
  4. 要件を満たす電子書面を提供し、閲覧・保存等を確認する

期限

  • 承諾は電子提供に先立って取得します。提供を拒否する旨の申出があった後の扱いも確認します。

注意点

  • テレビ会議への参加だけで、書面電子化への承諾を得た扱いにはしません。

重要事項説明書や37条書面などを電子交付するときは、相手方へ方法を示し、あらかじめ承諾を得る必要があります。電子メールを使える人だから、テレビ会議へ参加したから、といった理由で承諾を省略できるわけではありません。書面ごとに必要な相手と提供の内容を整理します。

IT重説と書面電子化の承諾を区別する

IT重説は、映像と音声を用いて重要事項を説明する方法です。書面電子化は、法律に基づいて交付する書面を電磁的方法で提供することです。両方を組み合わせることも、紙の重要事項説明書を事前に交付してIT重説を行うこともあります。

そのため、「オンラインで説明することに同意した」という記録だけでは、電子書面を受け取ることへの承諾内容が明らかとは限りません。承諾を一つの記録でまとめる場合でも、IT重説と電子提供のどちらを承諾したのかを判別できるようにします。売主・買主など複数の相手がいる場合は、交付義務のある相手ごとに確かめます。

承諾前に提供の方法と利用環境を説明する

電子メールへの添付、ウェブからのダウンロードなど、どの方法で提供するのか、どのファイル形式を使うのかを説明します。相手方が実際に使う端末で、内容を確認し、保存等を行えるかも事前に確かめます。単に「電子契約サービスを使います」と伝えるだけでは、受け取り方が分からないことがあります。

書面に代えて電子提供を受けること、承諾後でも拒否する旨を申し出られること、その申出の方法なども案内します。改変されていないことを確認するための措置と、その確認方法も説明できるようにします。電子化は相手に一方的に押し付けるものではなく、紙で受け取る意向も確認します。

承諾は後から確認できる形で残す

承諾する旨は、紙又は紙に出力可能なファイル形式で取得します。国土交通省の実施マニュアルは、紙、電子メール等、ウェブページ上の承諾、記録媒体等による方法を示しています。口頭だけで終わらせず、いつ、誰が、どの方法について承諾したのかを後で確認できるようにします。

所定の一種類の承諾書に署名・押印しなければならない、という仕組みではありません。自社の画面や書式を使う場合にも、対象となる書面、提供方法、相手の意向が明確になるよう設計します。承諾取得のログと、実際に交付したファイルの版を結び付けて保管すると、説明した方法と実際の方法の不一致を確認できます。

承諾後の交付と意向変更の例

例えば、買主Aがメール添付で重要事項説明書を受け取ることに承諾したとします。業者は承諾を記録した後、必要な要件を満たす電子書面を提供し、Aがファイルを開けること等を確認します。内容の確認や保存ができない場合には、説明の開始前に方法を調整します。

Aがその後、電子提供を拒否する旨を所定の方法で申し出た場合は、再び承諾を得るまでは、その後の交付を電子だけで進めないようにします。すでに適法に提供した電子書面の扱いと、今後提供する書面の扱いは分けます。承諾を取得した事実だけを見て、その後の意向変更を見落とさないようにします。

確認問題

問1 IT重説に参加したことをもって、書面電子化への承諾も必ず取得済みと扱えますか。

答えは、扱えません。電子書面の提供について、方法等を示して事前承諾を得る必要があります。

問2 承諾は口頭のやり取りだけにして、記録を残さなくてもよいですか。

答えは、違います。紙又は紙に出力可能な方法で、承諾したことを確認できるよう取得します。

問3 承諾後、相手から電子提供を拒否する申出があっても、その後の書面を電子だけで提供し続けてよいでしょうか。

答えは、いけません。申出後の取扱いを確認し、相手の意向を反映した提供方法へ切り替えます。

次に学ぶ

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出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
  2. 重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明 実施マニュアル(令和6年12月版)(国土交通省)確認日 2026/10/23

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