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実務手続不動産の鑑定評価に関する理論

物的確認では実地調査と資料照合をどう行う?

土地の所在・地番・数量、建物の家屋番号・構造・用途等を実地と資料で照合し、相違や調査できない範囲を記録します。

物的確認の手順の手順を示す図
この記事の目次 13項目
  1. 手続の要点
  2. 概要
  3. 必要書類
  4. 手順
  5. 期限
  6. 注意点
  7. 調査前に対象を取り違えない準備をする
  8. 実地調査で現況と資料を照合する
  9. 相違を見つけたときの処理
  10. 調査の限界も成果の一部として残す
  11. 確認問題
  12. 次に学ぶ
  13. 出典・参照資料

手続の要点

概要

確定した対象の存否と物的内容を、実地調査・聴聞・確認資料の照合によって明らかにします。

必要書類

  • 登記事項証明書、土地・建物の図面、所在地を示す地図
  • 現地写真、現況の利用状況や管理者からの聴取記録
  • 立会いと内覧範囲、未確認部分を記録する調査表

手順

  1. 評価対象の土地・建物の範囲と識別情報を整理する
  2. 確認資料を準備して現地で対象の存否・内容を確かめる
  3. 登記・図面と実態の異同を照合する
  4. 未確認の範囲、追加調査の必要性、評価への影響を記録する

期限

  • 現地調査の日は価格時点と一致するとは限りません。両方の日付を区別して記録します。

注意点

  • 立入りや専門調査の範囲を超えて、建物・地盤等に問題がないと断定しないようにします。
  • 原則は内覧を含む実地調査です。再評価で内覧を省略できる要件と、調査できなかった範囲の扱いを区別します。

鑑定評価の物的確認では、評価対象として定めた土地や建物が存在し、その範囲と内容がどのようになっているかを確かめます。現地で建物を眺めるだけでも、登記事項証明書を取得するだけでも十分とはいえません。現況と確認資料を対応させ、両者の異同を把握します。

調査前に対象を取り違えない準備をする

土地では所在、地番、数量等、建物では家屋番号、構造、用途等を整理します。住居表示と土地の地番が同じとは限らないため、依頼者から伝えられた住所だけで現地の区画を決めません。複数の筆や棟がある場合は、どこまでが評価対象なのかを図面上で示します。

資料には、登記事項証明書、土地・建物の図面、所在地を示す地図などを用います。現地へ行く前に資料同士の対応を確認すると、立会いの場で確かめるべき場所が明確になります。図面に示された通路や附属建物が、評価範囲に含まれるかも確認項目へ入れます。

実地調査で現況と資料を照合する

運用上の留意事項は、原則として内覧の実施を含む実地調査を行うものとしています。現地では対象の存否を確かめ、利用状況、建物の配置や用途、敷地との関係を資料と照合します。登記上は住宅でも、実際には店舗として利用されている場合や、図面にない増築部分が見つかる場合があります。異なる点は、その内容が分かる写真や聴取記録と対応させて残します。

外から確認した範囲と、建物内部に入って確認した範囲は同じではありません。例えば共同住宅で共用部だけを見た場合、各住戸を内覧したかのように記録してはいけません。確認した箇所を調査表へ記し、管理者等から聞いた内容と、自ら直接見た内容も区別します。

相違を見つけたときの処理

登記の面積と現地の状況に疑問がある場合や、附属建物の記載が欠けている場合は、追加の図面や関係資料を求めます。不一致があるというだけで直ちに一方を誤りと決めず、資料の作成時期、表示の目的、現況の変化を調べます。

例えば、登記には一棟の倉庫しかないのに現地に別の建物があるなら、その建物の所有・利用関係、建築時期、対象へ含めるか等を確認する必要があります。物的な範囲が変われば、権利確認や手法適用の前提にも影響します。未確認のまま計算だけを進めて差を覆い隠さないようにします。

調査の限界も成果の一部として残す

同じ不動産を再評価する場合、過去に自ら内覧を含む実地調査を行い、直近の評価の価格時点と比べて個別的要因に重要な変化がないと客観的に認められるときには、内覧の全部又は一部を省略できる取扱いがあります。単に以前の資料があるだけで省略できるわけではありません。

物的確認は、すべての欠陥や地中の状況を発見する保証ではありません。立入り、内覧、測量、土壌調査などの実施範囲と、他の専門家の調査結果を利用した範囲を明らかにします。専門調査を実施していない事項を、自分で検証した事実のように扱わないことが必要です。

報告書では、実地調査の年月日、調査した鑑定士、立会人、内覧を含む調査範囲、調査の一部を実施できなかった場合の理由等を示します。価格時点と現地調査日が異なるときは、その間の変化をどう把握したかも説明につなげます。

確認問題

問1 登記事項証明書に建物が記載されていれば、現地の存否確認は不要ですか。

答えは、不要ではありません。登記又は登録の内容と実態との異同を把握する必要があります。

問2 賃貸住戸の内部を見られなかったとき、共用部の確認結果を全住戸へそのまま広げてよいでしょうか。

答えは、いけません。実施した範囲と未確認の部分を区別し、評価上の取扱いを検討します。

問3 現地調査の日と価格時点は、必ず同じ日ですか。

答えは、違います。価格を判断する基準日と、実際に調査した日をそれぞれ記録します。

次に学ぶ

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出典・参照資料

  1. 不動産鑑定評価基準(国土交通省)確認日 2026/10/23
  2. 不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(国土交通省)確認日 2026/10/23

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