条文と学習の要点
宅建業法38条の読み方
条文・学習用要旨
【学習用要旨・条文全文ではありません】38条は、業者が自ら売主となる売買で、債務不履行による解除に伴う損害賠償予定額と違約金の合計を代金の20%以下に制限します。超える特約は超過部分が無効になります。
趣旨
業者売主との所定の売買で、契約解除に伴う予定賠償額や違約金が過重な負担となることを防ぐ規定です。
要件
- 業者が自ら売主の売買
- 非業者との取引等の適用条件
- 不履行解除に伴う予定額・違約金
効果
- 合算額を代金の20%以下に制限
- 超過部分を無効とする
試験での確認点
- 手付額の39条と区別
- 全額無効としない
適用する売買の条件
以下は学習用の要旨です。38条は宅建業者が自ら売主になる宅地・建物の売買を対象とします。業者が単に媒介する個人間売買を、業者が関わるという理由だけで同じに扱いません。また78条2項による業者相互間の適用除外も確認します。物件、売主の立場、買主の地位を最初に確定してから、予定額の計算へ進みます。数字だけ覚えて適用条件を飛ばさないことが大切です。
何についての上限か
条文は、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う損害賠償額の予定又は違約金を扱います。手付の受領額の上限や、報酬の上限と同じ規定ではありません。契約書で違約金という名前が付いているものだけでなく、所定の損害賠償予定とあわせて確認します。対象となる支払いの根拠と、解除の原因を特定してから合算します。
予定額と違約金は合算する
損害賠償予定額が代金の15%、別に違約金が10%なら、各項目が20%以内でも合計25%です。名称を分ければ上限を二重に使える制度ではありません。契約書の複数箇所にある支払条項も、同じ解除に伴う所定の性質を持つものかを確認します。別の項目として請求される費用も、名称だけで判断せず、条文の対象となる実質かを見ます。
超過部分だけが無効になる
2項は、代金の20%を超える部分について無効と定めています。上限を超える予定があれば契約全体が無効となる、又は予定額の全額が必ずゼロとなる、という効果ではありません。例えば代金3000万円について予定額と違約金が合計700万円なら、上限600万円を超える100万円の部分が問題になります。売買そのものの効力や他の請求は別に整理します。
手付の20%と混同しない
39条にも代金の20%という手付額の制限がありますが、38条と規制対象が違います。手付を受け取れる額、手付解除の方法、不履行解除に伴う予定額を同じ計算欄へまとめないようにします。手付金の保全措置の要否も別の規律です。同じ割合が現れるときほど、何に対する上限か、いつ発生する金銭かを確認します。
民法の賠償規定との関係
民法の予定賠償に関する規定に加え、所定の業者売主の売買では業法38条の制限がかかります。ただし38条が、契約に予定の定めがない場合の全ての損害賠償を一律に代金の20%へ制限する条文だと広げるのは不正確です。予定又は違約金の条項があるかを読み、責任の成立や実損の賠償範囲とは段階を分けます。条文の対象を明らかにしてから結論を書きます。
20%以下なら必ず同じ額を払うとは限らない
予定額と違約金の合算が上限以下であることは、38条の数値制限を満たすという話です。どの不履行について、どの条項が発動するか、当事者が実際にどの合意をしたかは別に確認します。逆に上限を超えた条項でも、38条2項が直接定める無効の範囲は超過部分です。売買価格、予定額、違約金を表にし、合算と上限比較を終えてから、条項全体や契約全体の効力に結論を広げないようにします。適用の入口と条文が定める効果を対応させることが必要です。
確認問題
非業者が買主となる所定の業者売主の売買で、代金3000万円、損害賠償予定額500万円、違約金200万円を定めました。両方とも600万円以下なので、38条の上限を満たしますか。
解答・解説
満たしません。合計700万円で計算し、代金の20%である600万円を超える100万円部分は無効です。各項目を別々に上限へ当てはめることはできません。
関連する学習
出典・参照資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。
この記事について質問する →