印紙税は、不動産売買という取引そのものではなく、法定の課税文書を作成することに対して課税されます。不動産の譲渡に関する契約書は第1号文書、建設工事等の請負契約書は第2号文書として確認します。文書の表題だけでなく記載内容を読みます。
文書の内容から分類する
土地や建物を譲渡する内容の契約書は、不動産の譲渡に関する契約書として検討します。建物を建てる、改修するといった仕事の完成を約する文書は、請負に関する契約書の分類を確認します。見積書、注文書、覚書という名称でも、契約の成立を証明する内容なら課税関係の検討が必要です。
文書の内容 | 基本の分類・確認 |
|---|---|
土地建物の売買を証明する | 第1号文書の不動産譲渡 |
建築工事の請負を証明する | 第2号文書の請負 |
契約内容を変更する覚書 | 何を変更・補充して証明するか |
電子データのみで成立・交付する | 紙の課税文書の作成と区別 |
文書に複数の事項がある場合は、号の所属や記載金額の取扱いも確認します。表を見ただけで、すべての覚書や注文書が課税文書だと決めるわけではありません。
正本・副本・写しの違い
一つの契約について売主用と買主用に紙の契約書を作り、それぞれ契約成立を証明するものなら、各文書の課税を検討します。片方を「副本」と呼べば必ず非課税になるわけではありません。
一方、署名・押印や契約当事者の証明などを付けず、正本を複写しただけの単なる写しは区別します。国税庁のNo.7120は、写し等と表示されても当事者の署名等や証明がある場合には課税対象となることを説明しています。通数を数える前に、各紙の性質を確認します。
金額と軽減は次の段階
課税文書の種類が決まったら、記載金額、作成日、非課税や軽減の条件を確認します。2026年10月時点では、不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書の所定のものに、2027年3月31日までの作成に係る軽減措置があります。対象になる金額の下限は二つの文書で異なります。
税額表は、一般の請負契約すべてに建設工事の軽減が及ぶと読むものではありません。文書分類、軽減対象、金額帯という順序を守ると、別の欄の税額を使う誤りを減らせます。具体的な税額の練習は計算記事へ進みます。
契約の効力との区別
印紙を貼り忘れたという税務上の問題を、売買契約が成立していないという結論に直結させないようにします。印紙税の納付・過怠税等の制度と、民法上の契約の成立・効力は別の問題です。
また、印紙税を当事者のどちらが負担するかという契約上の分担と、文書作成者の納税義務は区別します。学習では「何を作ったか」「誰が作成したか」「いつ作成したか」「記載金額はいくらか」を一行ずつ記録し、取引価格だけから税額へ飛ばないようにしましょう。
確認問題
不動産を売買した事実だけに、印紙税が必ず課税されますか。いいえ。課税文書の作成を確認します。
副本と書けば、署名等があっても必ず非課税ですか。いいえ。契約を証明する文書かを確認します。
建設工事以外の請負でも、同じ軽減税額表を自動的に使えますか。いいえ。軽減対象の文書かを調べます。
出典・参照資料
- No.7140 印紙税額の一覧表(その1)(国税庁)確認日 2026/10/22
- No.7120 契約書の写し、副本、謄本等(国税庁)確認日 2026/10/22
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