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論点宅建業法

水害ハザードマップの重要事項説明|対象地の位置と「区域外」の伝え方

水防法の洪水・雨水出水・高潮の地図で物件位置を説明し、区域外であることと水害がない保証を区別します。

洪水・内水・高潮の資料、物件位置、公表状況と説明を示す図
この記事の目次 10項目
  1. 論点の整理
  2. 結論
  3. 説明するのは図面上の対象物件の位置
  4. 洪水・雨水出水・高潮をそれぞれ確認する
  5. 入手可能な最新の市町村の図面を使う
  6. 色のない場所でも「水害がない」とは説明しない
  7. 「重ねるハザードマップ」との違い
  8. 説明の準備を事例で整理
  9. 出典・参照資料
  10. 関連記事

論点の整理

結論

水防法に基づいて市町村が作成する洪水・雨水出水・高潮のハザードマップを確認し、入手可能な最新の図面で対象不動産のおおむねの位置を示します。浸水想定区域の外にあることを、水害が起こらないという保証に置き換えてはいけません。

説明するのは図面上の対象物件の位置

不動産を購入したり借りたりする時、水害の危険性は契約するかどうかの判断に関わります。そのため、重要事項説明では、水防法に基づく水害ハザードマップ上で対象物件がどこにあるかを説明します。売買だけでなく、賃貸の契約前の説明でも確認する項目です。

宅建士が洪水の発生確率や浸水被害を独自に予測する義務と覚えるのではなく、まず、所定の地図を示して対象地のおおむねの位置を説明する義務と理解しましょう。位置を示すことと、安全を保証することは違います。

洪水・雨水出水・高潮をそれぞれ確認する

対象となる水害には、洪水、雨水出水、高潮があります。雨水出水は内水とも呼ばれ、河川からあふれる洪水と同じではありません。一つの図面を見つけただけで、他の水害の図面を確認しなくてよいわけではありません。

市町村によって、複数の水害を一つの冊子や図面で示している場合も、別々に公表している場合もあります。名称の付け方だけでなく、どの種類の水害の、どの根拠に基づく地図なのかを確認します。公表状況が分からない時は、市町村へ照会するなどして把握し、見つからなかったことだけで「作成されていない」と決めつけないようにします。

入手可能な最新の市町村の図面を使う

国土交通省は、市町村が配布する印刷物やホームページに掲載されたものを印刷した図面など、入手可能な最新のものを使うとしています。過去の取引で使った図面が手元にある場合も、更新されていないかを確認する必要があります。

地図上では対象不動産のおおむねの位置を示し、相手方が位置関係を理解できるように説明します。地図を渡すだけで場所を示さなかったり、住所の一覧だけで済ませたりする話ではありません。避難所が地図に記載されていれば、その位置も併せて示すことが望ましいとされています。これは説明義務の対象そのものと、望ましい情報提供を区別して押さえます。

色のない場所でも「水害がない」とは説明しない

ハザードマップは、一定の想定条件に基づく情報です。対象地が浸水想定区域の外にあるとしても、将来にわたって被害が生じないことを示すものではありません。「図面ではこの想定区域の外です」と説明することと、「この物件は水害に遭いません」と断定することは、全く違います。

例えば、川沿いの物件について洪水の想定区域外であることを確認したとしても、別の水害種別や想定を超える事象まで否定できません。買主や借主が安全の保証だと誤認しないよう、図面が示す内容の範囲で説明することが大切です。

「重ねるハザードマップ」との違い

国土地理院のハザードマップポータルサイトは、情報を調べるうえで役立ちます。ただし、同サイトの「重ねるハザードマップ」は、国や都道府県等の関係機関が作成した災害リスク情報を掲載するもので、市町村が水防法に基づいて作成した水害ハザードマップそのものではありません。

したがって、見やすいという理由だけで地図の出所や法的な位置付けを確認せず置き換えるのではなく、市町村の図面を確認します。ポータルの「わがまちハザードマップ」などから市町村の情報を探す場合も、リンク先で地図の種類や更新時期を確かめましょう。

説明の準備を事例で整理

準備の段階

確認すること

図面を探す

洪水・雨水出水・高潮の作成、公表状況

使う図面を選ぶ

市町村の入手可能な最新のものか

相手方に示す

対象物件のおおむねの位置、必要に応じ避難所の位置

言葉で補う

区域外でも水害リスクがないと誤認させない

問題文に「洪水図があれば十分」「色がなければ安全」「図面の交付だけでよい」とあれば、説明する地図の種類、示す位置、地図が保証する範囲を確認してください。三つを分けると、似た選択肢の違いが読み取りやすくなります。

重要事項説明の確認

重要事項説明は、契約するかを判断するための情報を、原則として契約成立前に伝える制度です。取引の対象・種類によって説明事項を確認し、宅建士による説明と書面の交付を区別します。相手方が宅建業者の場合は、書面交付は必要ですが説明は不要です。

間違えやすい点

35条書面と契約成立後の37条書面を、交付時期ごと入れ替えないでください。説明が不要な業者間取引でも、35条書面の交付が不要になるわけではありません。

例で確かめる

一般の購入者が売買契約を結ぶ場面では、契約書に署名してから初めて重要事項説明をする順序では間に合いません。

基礎確認用の補足教材。確認問題に用いる基準は各問題に表示しています。

この内容を問題で確かめる

この記事に関連する問題を3問収録しています。まずは3問で、読んだ内容を思い出せるか確かめましょう。

過去問は出題当時の基準、オリジナル問題は記載された基準で採点します。年度・基準日を確認してください。

採点後は各選択肢の理由を確認できます。間違えたところは、この記事に戻って読み直しましょう。

学習記録の保存にはログインが必要です。ログイン後、この演習に戻ります。

出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
  2. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(国土交通省)確認日 2026/10/23
  3. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/27
  4. 水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明の義務化(国土交通省)確認日 2026/10/27
  5. ハザードマップポータルサイト よくある質問(国土地理院)確認日 2026/10/27

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