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論点宅建業法

自ら貸すときの宅建業免許|貸主・代理・媒介を事例で区別する

自分が貸主となる賃貸は、宅建業法が定める宅地建物取引業の取引類型に含まれません。他人の賃貸を代理・媒介する仕事や、賃貸住宅管理業の登録とは分けて判断します。

緑の植栽に囲まれた住宅街
この記事の目次 8項目
  1. 最初に見るのは、誰が貸主になるか
  2. 所有していなくても、自分が借りて転貸する場合がある
  3. 同じ住宅でも、会社の役割によって結論が変わる
  4. 管理の仕事と、入居者を紹介する仕事を分ける
  5. 設問では、動作を一つずつ書き出す
  6. 出典・参照資料
  7. 次に学ぶ
  8. 関連記事

最初に見るのは、誰が貸主になるか

所有するアパートを入居者に貸し、家賃を受け取る。この取引で所有者自身が貸主なら、自ら賃貸する取引です。宅建業法2条2号は、自ら行う売買・交換と、売買・交換・貸借の代理又は媒介を宅地建物取引業の対象にしています。自ら行う貸借は、この列挙に入っていません。

したがって、貸している戸数が多い、毎年新たな入居者と契約する、家賃収入で生活している、といった事情だけで、自ら賃貸する行為が宅建業になるわけではありません。「反復継続しているか」を考える前に、その取引の種類が法律の対象に含まれるかを確かめます。

所有していなくても、自分が借りて転貸する場合がある

A社がオーナーから住宅を借り上げ、A社を貸主として入居者へ転貸する場合、入居者との関係ではA社自身の賃貸です。不動産を所有しているかどうかだけで、自ら賃貸と媒介を分けることはできません。誰が賃貸借契約の当事者で、誰が家賃債権を持つかを読みます。

これに対して、A社がオーナーと入居希望者を引き合わせ、両者の契約成立を取り持つなら、貸借の媒介が問題になります。自社名の申込用紙を使った、入居者から金銭を受け取った、といった外形だけで当事者を決めず、契約書と業務の実態を確認してください。

同じ住宅でも、会社の役割によって結論が変わる

取引の例

会社の役割

宅建業の取引類型か

所有アパートを自社が貸す

貸主

自ら貸す行為は含まれない

借り上げた住宅を自社が転貸する

転貸人

自ら貸す行為は含まれない

オーナーと入居者の契約を取り持つ

媒介業者

貸借の媒介に当たる

オーナーの代理人として賃貸借を締結する

代理業者

貸借の代理に当たる

表の最後の二つは、直ちにすべての行為に免許が必要だという意味ではありません。宅建業の取引類型に該当した上で、業として行っているか等を検討します。一方、自ら貸す場合は、戸数を数えて媒介業に読み替える判断をしません。

管理の仕事と、入居者を紹介する仕事を分ける

清掃、設備点検、家賃の入金確認等を受託することと、新しい入居者との賃貸借を代理・媒介することは別の業務です。管理会社だから宅建業免許が不要、又は管理をしていればすべて宅建業という判断は、どちらも業務の違いを見落としています。

賃貸住宅管理業法の登録や、特定転貸事業者に対する規制は、宅建業免許とは別に検討します。「宅建業免許が要らない」という結論を、説明義務や管理上の義務まで存在しないという意味に広げないことが大切です。会社が複数の仕事を兼ねている場合には、それぞれの契約と報酬を整理します。

設問では、動作を一つずつ書き出す

「Aは所有する20戸を賃貸し、B所有の住宅の入居者募集も継続的に媒介している」という設問なら、A自身の賃貸と、Bの貸借の媒介を別々に評価します。最初の仕事が免許の対象外でも、後者まで対象外になるわけではありません。

逆に、宅建業免許を持つ会社が自社物件を貸すからといって、その自ら賃貸する行為が売買の8種制限の対象になるわけでもありません。誰が、誰に対して、何をしているかを三つに分けると、会社の肩書に引きずられずに判断できます。

出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(2026年4月1日施行版)(国土交通省)確認日 2026/10/28

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