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論点法令上の制限不動産に関する行政法規

農地法3条の許可はいつ必要?売買・贈与・相続と転用の区別

農地のまま売買・貸借する3条許可と、相続による取得の許可不要・取得後届出を学び、転用と区別します。

農地を譲る側と耕作を続ける取得者を結び、農業委員会の許可を確認する図
この記事の目次 10項目
  1. 論点の整理
  2. 結論
  3. 農地のまま権利を動かすのが3条の基本
  4. 無料の取引でも許可が必要になり得る
  5. 相続は許可不要でも、届出が残る
  6. 3条・4条・5条を並べてみる
  7. 市街化区域でも3条の許可が当然に不要とはならない
  8. 許可を受けなかった場合の効力
  9. 出典・参照資料
  10. 関連記事

論点の整理

結論

農地を農地のまま売買・贈与したり、耕作のために貸し借りしたりする場合は、原則として農業委員会の3条許可が必要です。相続による取得は許可の例外ですが、取得後の届出は別に必要になります。転用を伴う場合は4条・5条と区別します。

農地のまま権利を動かすのが3条の基本

農地法3条は、農地を農地として利用する前提で、所有権を移転したり、賃借権・使用貸借による権利などを設定・移転したりする場面を規制しています。例えば、Aの畑をBが買って耕作する場合や、Bが借りて耕作する場合には、原則として農業委員会の許可が必要です。

登記簿の地目だけでなく、土地の現況が農地かを確認することも大切です。また、農地に関するすべての取引を3条だけで処理するのではなく、取引後も農地のまま使うのか、宅地や駐車場等へ用途を変えるのかを先に読み取りましょう。

無料の取引でも許可が必要になり得る

3条の対象は、有償の売買や賃貸借に限られません。農地を子へ生前贈与する場合や、無償で借りて耕作する使用貸借の場合も、原則として許可の対象になります。「お金を受け取らないから許可不要」とする説明は、規制の理由を取り違えています。

農地の利用を適切に行える者へ権利を移すための制度なので、対価の有無だけで決めるものではありません。許可では、効率的に農地を利用できるか、必要な農作業に従事できるか、周辺の農地利用へ支障がないかなどが問題になります。2023年4月に下限面積要件が廃止されても、他の許可要件までなくなったわけではありません。

相続は許可不要でも、届出が残る

相続による権利取得は3条許可の例外です。相続開始に伴う取得について、あらかじめ農業委員会の許可を受ける仕組みではありません。ただし、農地法3条の3による農業委員会への届出を別に確認する必要があります。

例えば、Aの死亡により子Bが畑を相続した場合、Bがした相続登記と、農業委員会への届出は別の手続です。登記を済ませたので農地法の届出は不要、とはいえません。また、Bが後日その畑をCへ売り、Cが農地として耕作する場面では、相続とは別の権利移転なので、改めて3条許可を検討します。

生前贈与と相続は、親から子へ移る点が似ていても、3条の取扱いが異なります。設問の「贈与」を「相続」に読み替えないよう、権利が移った原因を確かめましょう。

3条・4条・5条を並べてみる

事例

基本となる条文

Aの畑をBが買い、そのまま耕作する

3条:農地としての権利移動

Aが自分の畑を駐車場へ変える

4条:所有者自身による転用

Bが駐車場にするためAの畑を買う

5条:転用目的の権利移動

同じ農地売買でも、買主が耕作するのか、住宅や駐車場の敷地にするのかで、主に確認する条文が変わります。「売買だから3条、工事だから4条」と動詞だけで分けず、取得後の利用目的まで読み取ることが大切です。

市街化区域でも3条の許可が当然に不要とはならない

市街化区域内の農地の転用では、所定の事前届出による例外があります。ただし、これは4条・5条の転用の話です。農地を農地のまま売買する3条の場面に、同じ届出の仕組みをそのまま持ち込むことはできません。

例えば、市街化区域内にあるAの農地をBが買って耕作を続けるなら、「市街化区域なので転用の届出だけでよい」という結論にはなりません。転用しない取引では3条の許可を検討します。場所の情報と利用目的の両方を確認すると、この混同を防げます。

許可を受けなかった場合の効力

3条許可が必要な権利移動について、許可を受けないでした行為は、その効力を生じません。売買代金を支払ったことや当事者が合意したことだけで、許可に代えられるわけではありません。合意と行政上の許可がそれぞれ必要になる構造を理解しましょう。

試験では、農地か、転用するか、権利を動かすか、相続等の例外に当たるか、の順で整理します。最後に、許可が不要な場合でも届出などの別の手続が残っていないかを確かめます。「許可不要」と「何の手続も不要」を同じ意味で読まないことが、得点につながります。

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出典・参照資料

  1. 農地法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/27
  2. 解説1 農地法第3条許可について(広島県)確認日 2026/10/27
  3. 農地の所有権移転、権利設定、相続等の届出関係(岡山市)確認日 2026/10/27

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