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論点権利関係民法(論文式・準備)

所在不明共有者がいる不動産をどう管理・処分する?

所在不明共有者がいる場合の管理・変更、持分取得、譲渡権限付与を、目的に応じた裁判所の手続から学びます。

所在の調査・裁判所の手続・目的別の決定の関係を示す図
この記事の目次 12項目
  1. 論点の整理
  2. 要件
  3. 間違えやすい点
  4. 何をしたいのかを先に分ける
  5. 管理や変更のための裁判を確認する
  6. 持分の取得・譲渡は対価と相続の制限を見る
  7. 根拠となる条文
  8. 比較して確認する
  9. 学習用の具体例
  10. 確認問題
  11. 関連する学習
  12. 出典・参照資料

論点の整理

要件

  • 何をしたいのかを先に分ける
  • 管理や変更のための裁判を確認する
  • 持分の取得・譲渡は対価と相続の制限を見る

間違えやすい点

  • 所在不明なら持分は消滅しますか。
  • 賃貸と土地全体の売却は同じ手続ですか。

所在不明の共有者がいる場合、他の共有者だけで自由に処分できるわけではありません。管理・変更の決定、持分取得、持分譲渡の権限付与など、目的に応じた裁判所の手続を検討します。

何をしたいのかを先に分ける

通常の管理、形状・効用を著しく変える変更、土地全体の売却は必要な手続が異なります。連絡が取れない事情を残し、登記や住所等を調査します。単に返事が遅い共有者と、所在を知ることができない共有者は同一ではありません。

管理や変更のための裁判を確認する

所在不明者を除いた共有者の持分を基準とする決定を可能にする裁判等があります。共有者の所在不明を理由に、保存・管理・変更の区別そのものが消えるわけではありません。既に使用する共有者への特別の影響にも注意します。

持分の取得・譲渡は対価と相続の制限を見る

所在不明共有者の持分取得や譲渡権限付与には裁判所の関与と価額に応じた供託等が必要です。遺産共有では相続開始からの期間に関する制限があります。相続人調査を省いて売却を進める制度ではありません。

根拠となる条文

各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。 共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。 前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。 共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年 建物の賃借権等 三年 動産の賃借権等 六箇月 各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。

不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。 この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按あん分してそれぞれ取得させる。 前項の請求があった持分に係る不動産について第二百五十八条第一項の規定による請求又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項の裁判をすることができない。 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、第一項の裁判をすることができない。 第一項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。 前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。

不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、前項の裁判をすることができない。 第一項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。 前三項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。

比較して確認する

確認すること

判断の手掛かり

何をしたいのかを先に分ける

通常の管理、形状・効用を著しく変える変更、土地全体の売却は必要な手続が異なります。連絡が取れない事情を残し、登…

管理や変更のための裁判を確認する

所在不明者を除いた共有者の持分を基準とする決定を可能にする裁判等があります。共有者の所在不明を理由に、保存・管…

持分の取得・譲渡は対価と相続の制限を見る

所在不明共有者の持分取得や譲渡権限付与には裁判所の関与と価額に応じた供託等が必要です。遺産共有では相続開始から…

学習用の具体例

A・B・C共有の土地でCの所在が不明でも、AとBがCの持分を含めて当然に売れるわけではありません。草刈りをするのか、賃貸するのか、全体を売るのかを分け、目的に合う裁判と供託等を検討します。

確認問題

問1:所在不明なら持分は消滅しますか。

解説:消滅しません。裁判所の手続等が必要です。

問2:賃貸と土地全体の売却は同じ手続ですか。

解説:管理と持分の処分を分けて確認します。

関連する学習

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出典・参照資料

  1. 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/25

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