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論点権利関係民法(論文式・準備)

占有訴権と本権の訴えはどう違う?

事実上の支配を保護する占有訴権と、所有権等に基づく本権の訴えを比べ、請求の根拠を学びます。

事実上の占有・侵害の種類・本権とは別に保護の関係を示す図
この記事の目次 12項目
  1. 論点の整理
  2. 要件
  3. 間違えやすい点
  4. 占有の侵害に応じて訴えを選ぶ
  5. 所有権の有無だけで占有訴権を否定しない
  6. 出訴期間と相手を確認する
  7. 根拠となる条文
  8. 比較して確認する
  9. 学習用の具体例
  10. 確認問題
  11. 関連する学習
  12. 出典・参照資料

論点の整理

要件

  • 占有の侵害に応じて訴えを選ぶ
  • 所有権の有無だけで占有訴権を否定しない
  • 出訴期間と相手を確認する

間違えやすい点

  • 賃借人にも占有訴権がありますか。
  • 占有回収の訴えの期間は。

占有訴権は物を事実上支配していた状態を保護し、本権の訴えは所有権などの権利に基づいて返還等を求めます。占有者が所有者かどうかと、占有の侵害があったかは別の問題です。

占有の侵害に応じて訴えを選ぶ

占有保持の訴えは妨害の停止や損害賠償、占有保全の訴えは妨害の予防等、占有回収の訴えは奪われた物の返還等を求めるものです。妨害が続いているのか、妨害のおそれか、占有を奪われたのかを先に確認します。

所有権の有無だけで占有訴権を否定しない

土地の賃借人も、その土地を占有している限り占有の保護を受け得ます。逆に所有者であっても、相手の占有を実力で排除してよいわけではありません。占有の訴えで所有権の優劣まで決めることはできません。

出訴期間と相手を確認する

占有回収の訴えは占有を奪われた時から1年以内です。承継人への請求には善意等の制限があります。占有訴権と本権の訴えは互いを妨げませんが、占有の訴えに対して本権に関する理由に基づく裁判はできません。

根拠となる条文

占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。 他人のために占有をする者も、同様とする。

占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。

占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。

占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。 ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。

占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。 ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。 この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。

占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。 占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。

比較して確認する

確認すること

判断の手掛かり

占有の侵害に応じて訴えを選ぶ

占有保持の訴えは妨害の停止や損害賠償、占有保全の訴えは妨害の予防等、占有回収の訴えは奪われた物の返還等を求める…

所有権の有無だけで占有訴権を否定しない

土地の賃借人も、その土地を占有している限り占有の保護を受け得ます。逆に所有者であっても、相手の占有を実力で排除…

出訴期間と相手を確認する

占有回収の訴えは占有を奪われた時から1年以内です。承継人への請求には善意等の制限があります。占有訴権と本権の訴…

学習用の具体例

Aが借りて使っていた倉庫をBが無断で施錠してAを排除しました。Aは所有者ではないから何もできない、とはなりません。占有を奪われた状況と時期を調べ、占有回収の訴えを検討します。Bが所有者だと主張する場合も、その主張だけで占有の争いが解決するわけではありません。

確認問題

問1:賃借人にも占有訴権がありますか。

解説:あります。所有権の有無と事実上の占有は別です。

問2:占有回収の訴えの期間は。

解説:占有を奪われた時から1年以内です。

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出典・参照資料

  1. 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/25

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