論点の整理
要件
- 土地と建物は別の不動産
- 従物と付合物を混同しない
- 果実は不履行後の扱いを確認する
間違えやすい点
- 土地の抵当権は常に建物にも及びますか。
- 不履行前の果実も371条で当然に含みますか。
土地と建物は別の不動産
土地への抵当権がその上の建物に当然に及ぶわけではありません。一方、付加して一体となった物には370条の原則が働きます。対象の独立性、所有者、付加の時期を確認します。
従物と付合物を混同しない
従物は主物の常用に供される独立の物、付合物は独立性等の問題を伴う概念です。抵当権設定時の従物やその後の付加について、民法87条、370条と判例を参照します。
果実は不履行後の扱いを確認する
371条は被担保債権について不履行があったとき、その後に生じた果実に効力が及ぶと定めます。賃料の回収では物上代位や担保不動産収益執行等の手続も区別します。
根拠となる条文
物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。 従物は、主物の処分に従う。
抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。 ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。
抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
比較して確認する
確認すること | 判断の手掛かり |
|---|---|
土地と建物は別の不動産 | 土地への抵当権がその上の建物に当然に及ぶわけではありません。一方、付加して一体となった物には370条の原則が働… |
従物と付合物を混同しない | 従物は主物の常用に供される独立の物、付合物は独立性等の問題を伴う概念です。抵当権設定時の従物やその後の付加につ… |
果実は不履行後の扱いを確認する | 371条は被担保債権について不履行があったとき、その後に生じた果実に効力が及ぶと定めます。賃料の回収では物上代… |
学習用の具体例
土地だけに抵当権を設定した例で、後に建った家まで当然に抵当権の目的になると考えるのは誤りです。庭木や付加物、賃貸建物の賃料についても、どの規定とどの時期が問題かを分けます。
関連規定の本文(抜粋)
第八十七条 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。 従物は、主物の処分に従う。
第二百四十二条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。 ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。
第三百七十一条 抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
確認問題
問1:土地の抵当権は常に建物にも及びますか。
解説:土地上の建物は370条の原則から除かれています。
問2:不履行前の果実も371条で当然に含みますか。
解説:同条は不履行後に生じた果実を対象とします。
関連する学習
学習の入口に戻る
この内容を問題で確かめる
この記事に関連する問題を1問収録しています。まずは1問で、読んだ内容を思い出せるか確かめましょう。
過去問は出題当時の基準、オリジナル問題は記載された基準で採点します。年度・基準日を確認してください。
採点後は各選択肢の理由を確認できます。間違えたところは、この記事に戻って読み直しましょう。
学習記録の保存にはログインが必要です。ログイン後、この演習に戻ります。
出典・参照資料
- 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/25
解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。
この記事について質問する →