鑑定士の資格と、事業を営むための登録を分ける
不動産鑑定士として登録していることと、不動産鑑定業者として登録していることは同じではありません。不動産鑑定業を営もうとする者は、不動産の鑑定評価に関する法律22条に基づく業者登録を受けます。個人事業でも法人でも、この区別が必要です。
試験に合格した、鑑定士の登録を受けた、鑑定業の登録を受けた、という三つの状態を一つにしないでください。問題文が誰の何の登録について尋ねているかを最初に確認します。
売上の地域ではなく、事務所の配置を見る
二つ以上の都道府県に事務所を設ける場合は国土交通大臣の登録、それ以外は事務所所在地の都道府県知事の登録です。評価対象の不動産が全国にあるか、依頼者が県外にいるかだけで登録先が変わるわけではありません。
例えば東京都内に本店と支店を置く場合は、一つの都道府県内の事務所配置です。東京都と神奈川県に一つずつ置く場合は、二つの都道府県にまたがります。事務所の数と都道府県の数を混同しないようにします。
登録の有効期間と、更新申請中の効力
業者登録の有効期間は5年です。引き続き営業するには更新登録を受ける必要があり、更新の申請期限も確認します。国土交通省の案内では、有効期間満了日の30日前までに更新登録申請が必要とされています。
適切に更新申請をしたのに、満了日までに処分がされない場合、従前の登録は処分まで効力を有します。更新がされたときの期間は、従前の満了日の翌日から起算します。審査が終わった日から自由に新たな5年が始まる、と覚えないでください。
変更・手続 | 確認する内容 |
|---|---|
同一県内に事務所を追加 | 配置と変更登録、専任鑑定士等を確認 |
他県にも事務所を新設 | 登録換えを検討 |
他県の事務所を廃止し一県だけにする | 大臣登録から知事登録への登録換えを検討 |
有効期間満了後も営業する | 更新登録を申請 |
登録換えと変更登録は同じではない
知事登録の業者が別の都道府県にも事務所を設ける場合など、26条の条件に当たるときは、あらかじめ登録換えの申請をして登録を受けます。一方、登録事項の変更については27条の変更登録が問題になります。
商号変更、役員交代、事務所移転をすべて「更新の時にまとめて知らせる」と扱うことはできません。何が変わったか、登録先の区分自体が変わるか、手続の時期はいつかを分けて確認します。
事務所の要件と、毎年の報告も忘れない
事務所ごとの専任の不動産鑑定士等の設置要件と、毎年の事業実績等の提出義務は、5年ごとの更新とは別です。登録証が有効であることだけで、その後の継続的な義務がなくなるわけではありません。
鑑定士と鑑定業者の処分と公正・誠実義務と秘密保持で、登録後の責任まで確認してください。
この内容を問題で確かめる
この記事に関連する問題を2問収録しています。まずは2問で、読んだ内容を思い出せるか確かめましょう。
過去問は出題当時の基準、オリジナル問題は記載された基準で採点します。年度・基準日を確認してください。
採点後は各選択肢の理由を確認できます。間違えたところは、この記事に戻って読み直しましょう。
学習記録の保存にはログインが必要です。ログイン後、この演習に戻ります。
出典・参照資料
- 不動産の鑑定評価に関する法律(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
- 不動産の鑑定評価に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。
この記事について質問する →