計算の要点
計算式
道路幅W、対象部分の境界からの距離x、適用可能な最小後退sなら、緩和例の高さ=(W+x+s)×勾配
計算の条件
- W=6m
- x=2m
- s=2m
- 勾配1.25
計算手順
- 後退なしの比較値:(6+2)×1.25=10
- 後退緩和を加える:(6+2+2)×1.25=12.5
具体例
- 適用距離内、路面・敷地同高、ほかの特例なしの学習例。
答え
12.5 m
道路斜線は、道路の反対側の境界線から建物の各部分までの水平距離等に応じて、高さを制限します。建物を道路から後退させると、一定の条件で反対側の基準線も外側へ移す緩和があります。道路のセットバックと建物の後退を区別します。
どの線から測るか
基本は前面道路の反対側の境界線です。そこから検討する建物部分までの水平距離に、適用される勾配を掛けます。道路の向こう側ではなく、自分の敷地側の境界からだけ測ると、道路幅の分を落としてしまいます。
適用距離と勾配は、用途地域等や容積率の限度等の条件によります。住居系で用いる1.25等の代表値を、すべての地域へ無条件に使う方法ではありません。別表第三と指定の条件を確認します。
後退なしの計算
道路幅6m、勾配1.25、対象部分が敷地側の道路境界から2mの位置にあり、後退緩和は使わないとする例です。反対側境界からの距離は6+2=8mとなり、高さの計算値は8×1.25=10mです。
これは路面と敷地の高さが同じ等、条件を単純化した学習例です。道路と敷地の高低差、二以上の道路、天空率による別の適合検討等がある場合は、それぞれの規定を別に確認します。高さの基準面も施行令で照合します。
建物を2m後退させる例
建物の最小後退距離が2mで、法定の緩和が適用できるとします。反対側の基準線を2m外へ移すため、最も道路に近い対象部分までの距離は6+2+2=10mです。計算値は10×1.25=12.5mとなります。
元の境界から建物部分までの2mと、反対側基準線を動かす2mは別です。両方を図へ書きます。緩和を使う例で6+2だけにすると、基準線の移動分を落とします。反対に、条件がないのに常に道路幅を広げることもできません。
最小後退距離を使う
緩和で使う後退距離は、建物の各部分から前面道路境界までの水平距離のうち最小のもの等、法が定める算定によります。ある階だけ大きく後退したから、その大きな値を全建物の後退距離にするわけではありません。除外できる部分等も政令条件を確認します。
また、道路斜線を満たすことと、北側斜線、隣地斜線、高度地区等の条件をすべて満たすことは違います。各規制の上限を別に計算し、実際の形へ重ねて検討します。今回の数値は道路斜線だけの計算例です。
検算の仕方
後退緩和の例では、道路幅を固定し、後退距離が増えたときに基準線との距離がどう増えるかを図で確認します。計算結果の増分2.5mは、追加された距離2mに勾配1.25を掛けた値です。同じ数字を再入力するより、図と差分の両方で検算できます。
条件を変えて考える
最も道路へ近い部分だけが一メートル、ほかの壁が二メートル後退する例では、緩和に使う最小距離の判定が問題になります。除外できる部分かも法令へ照合します。都合のよい二メートルを図から選ぶのではなく、建物全体と所定の除外を確認してから式を作ります。
確認問題
高さは敷地側道路境界からの距離だけで計算しますか。いいえ。反対側の境界等の基準線から測ります。
例の適法な2m後退緩和を入れると計算値はいくらですか。12.5mです。
一部分だけの後退値を必ず全体の後退距離に使えますか。いいえ。最小距離等の法定算定に従います。
関連する学習
出典・参照資料
- 建築基準法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
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