委託された事務に応じた注意を払う
善管注意義務は、善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を指します。民法644条は受任者の注意義務を定め、656条は法律行為でない事務の委託である準委任へ委任の規定を準用しています。管理契約では業務の性質と契約内容を踏まえて考えます。
担当者が「自分の家なら気にしない」と考えたことだけで足りるものではありません。一方、事故が起きれば必ず責任を負うという結果保証とも違います。何を受託し、どのような情報を得て、どのように対応したかが判断の材料になります。
結果と対応過程を分けて記録する
確認すること | 具体的な記録 |
|---|---|
業務の範囲 | 契約で約束した点検・連絡・報告 |
把握した情報 | 異常の内容、受付日時、調査結果 |
行った対応 | 応急措置、貸主への報告、次の確認 |
巡回業務を受託している場合、点検表を形式的に埋めるだけでなく、見つけた異常がその後の対応につながっているかを確認します。業務範囲を超える専門調査が必要なら、貸主にその必要性を伝え、誰が手配するかを明確にします。
漏水の申告を受けた例
入居者から繰り返し水染みの連絡があるのに、担当者が毎回「様子を見て」と返すだけでは、必要な確認や報告が行われたかが問題になります。症状と緊急性を把握し、管理契約に応じた連絡・手配を行い、その経過を記録します。
実際に管理会社の責任が認められるかは、義務の内容、対応、損害、因果関係等の検討によります。記録があるだけで免責されるわけでも、結果が悪かっただけで義務違反となるわけでもありません。
実際の業務へ当てはめる
巡回点検の記録と修繕の受付・発注手順を確認します。
出典・参照資料
- 民法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
- 賃貸住宅標準契約書について(国土交通省)確認日 2026/10/28
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