自宅の譲渡損失は、一般に他の所得へ自由に通算できるものではありません。所定の自宅売却には、買換えを伴う特例と、売った住宅のローンが残る特例があります。売却損とローン残高のどちらを要件にするかを分けて確認します。
原則と特例の関係
土地・建物の分離課税の譲渡損失は、給与所得等との損益通算が原則としてできません。購入額より安く売れたというだけで給与税額が戻る制度ではありません。家屋の取得費は減価償却費相当額等を反映するため、単純な購入代金との差とも違います。
自宅の二つの特例は、この原則の下で一定条件を満たす場合の制度です。2026年確認の案内では、いずれも所定の2027年末までの譲渡が対象です。適用年と、売却年の一月一日時点で所有期間五年超等の条件を確認します。
買換えを伴う特例
旧居の売却、新居の取得・居住、買換資産の住宅ローン等の要件を満たす場合を検討します。新居の取得時期、床面積、年末の償還期間十年以上のローン等、条件を新居側でも調べます。旧居にローンがあるかだけで決める制度ではありません。
所定の特例では、通算しきれない損失を翌年以後三年間繰り越すことができます。ただし、繰越年の所得やローン等の追加条件があります。損失が残る限り無期限に繰り越す仕組みではありません。
ローンが残る旧居の特例
買換えを伴わなくても、旧居の売却について、売買契約前日の住宅ローン残高と売却額等の所定要件を満たす特例があります。この場合の通算対象には、ローン残高から売却額を引いた額等による限度があります。
学習用に、譲渡損失1000万円、所定のローン残高3000万円、売却額2500万円とします。ほかの条件を満たす場合でも、残高と売却額の差500万円という限度を検討します。損失1000万円全部が当然に対象とはしません。
繰越控除の手続
初年度の明細や添付資料に加え、継続する申告等の手続を確認します。翌年に所得がないことと、必要な申告を省略してよいことを同じにしないようにします。三千万円控除、買換えの課税繰延べ等との適用関係も別に判定します。
比較表は、旧居の所有期間、旧居ローン、新居取得、新居ローン、通算限度、繰越年の条件で作れます。利益に対する買換え特例と、損失に対する買換え特例は、名称が似ていても効果も要件も違います。
条件を変えて考える
給与等へ通算できる損失を算出しても、翌年の繰越が自動的に同じ条件で適用されるとは限りません。売却年と繰越年を列で分け、各年の所得、必要なローン、申告の継続等を確認します。初年度の資格判定と、控除を受ける年の条件を別々に管理することが、複数年に及ぶ特例の基本になります。
買換え資産側の条件と旧居側の条件を色分けし、どちらのローンを確認しているかも明示します。
確認問題
自宅売却の損失は常に給与と通算できますか。いいえ。原則と特例の要件を分けます。
旧居ローン残高3000万円・売却2500万円の例の差額はいくらですか。500万円です。
繰越は無期限ですか。いいえ。翌年以後三年間等の法定条件を確認します。
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出典・参照資料
- No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(国税庁)確認日 2026/10/23
- No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(国税庁)確認日 2026/10/23
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