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論点宅建業法

建物状況調査の説明|媒介契約・重要事項説明・37条書面の違い

建物状況調査のあっせん・実施・結果説明を分け、すべての物件に調査実施義務があるわけではない点を学びます。

媒介時のあっせん、実際の調査、契約前の結果説明を示す図
この記事の目次 8項目
  1. 調査は、既存住宅の状態を判断する材料
  2. 媒介契約の段階では、あっせんの有無を記載する
  3. 重要事項説明では、実施の有無と結果の概要を見る
  4. 契約成立後の書面には、当事者の確認事項を記載する
  5. 報告書がある売買で、何を確かめるか
  6. 調査の制度と、契約不適合責任を切り分ける
  7. 出典・参照資料
  8. 関連記事

調査は、既存住宅の状態を判断する材料

建物状況調査は、所定の資格を持つ建築士が、既存住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分等について、所定の方法により劣化・不具合の状況を調べるものです。売主の自己申告や、宅建業者の通常の現地確認と同じ意味ではありません。

調査を行ったことだけで、隠れた不具合が一切ないと保証されたり、将来の補修費が確定したりするわけでもありません。調査対象、方法、調査できなかった箇所、実施日を確認し、報告書が何を示す資料なのかを理解して利用します。

媒介契約の段階では、あっせんの有無を記載する

既存住宅の売買等の媒介契約では、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を媒介契約書面に記載します。あっせんをしない場合には、その理由についても現行の取扱いを確認します。調査の実施を強制することと、調査へつなぐ業務を明らかにすることは違います。

例えば、売主が調査の利用を希望した場合、誰を紹介し、いつ調査し、誰が費用を負担するのかを調整します。一方、あっせんがないときは、媒介業者が自ら調査を完了したことにしてよいわけではありません。紹介、依頼、実施、結果の受領という作業を分けて管理します。

重要事項説明では、実施の有無と結果の概要を見る

既存建物に関する重要事項説明では、所定期間内の建物状況調査の実施の有無と、実施されている場合の結果の概要等が問題になります。対象となるのは原則として説明前1年以内の調査で、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等には2年以内とする取扱いがあります。

したがって、「すべて1年以内」「建物が鉄筋コンクリート造なら用途を問わず2年」と単純化しないでください。建物の構造・用途と実施日を確認します。調査報告書が見つかったとしても、制度の対象期間を過ぎていないか、対象建物の報告書かを照合します。

契約成立後の書面には、当事者の確認事項を記載する

37条書面では、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がある場合、その事項が記載対象になります。重要事項説明で調査結果を説明したことと、当事者双方が何を確認したかを記録することは、制度上の役割が異なります。

段階

確認する内容

媒介契約

調査実施者のあっせんに関する事項

契約前の重要事項説明

所定期間内の調査の有無と結果の概要等

契約成立後の37条書面

当事者双方が確認した建物の状況に関する事項

報告書がある売買で、何を確かめるか

売主から半年前の調査報告書を受け取ったとします。まず、実施者、対象住宅、実施日、調査内容を照合します。次に、買主への重要事項説明に必要な情報を整理し、説明後に当事者間でどの状況を確認したかを契約関係の書面へ反映します。

報告書に「調査できなかった」とある部分を「異常なし」と書き換えるのは適切ではありません。また、調査後に新たな漏水等が判明した場合、古い報告書があるという理由でその情報を無視しません。制度上の期間内であることと、資料が現在の状態を十分に表すことは別です。

調査の制度と、契約不適合責任を切り分ける

調査を行ったから売主の責任がすべてなくなる、又は調査を行わなければ売買が必ず無効になる、という結論にはなりません。契約内容、不具合、通知、特約等による責任の判断は別に必要です。

試験では、どの段階の書面か、調査の実施が義務なのか、あっせんの記載や結果説明が義務なのかを明確にします。「インスペクション」という言葉だけで一つの義務として覚えるより、取引の時間順に整理する方が、主体と内容を対応させやすくなります。

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出典・参照資料

  1. 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  3. 建物状況調査の制度改正(令和6年4月施行)(国土交通省)確認日 2026/10/28

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