LELavaEstate
論点賃貸住宅管理

サブリースの広告|「家賃保証」の金額・期間・減額条件を読む

サブリース広告の借上げ期間・賃料改定・免責期間・費用負担を読み、「家賃保証」の条件を調べます。

緑の植栽に囲まれた住宅街
この記事の目次 9項目
  1. オーナーと入居者の間に、二つの賃貸借がある
  2. 30年間借り上げることと、30年間同額であること
  3. 誇大広告は、表示全体が与える印象で考える
  4. 収支の例で、保証額と手取額を分ける
  5. 広告・勧誘・契約前説明をそれぞれ確認する
  6. 一年間の受取額を、免責期間を含めて比べる
  7. 広告・説明資料・契約書で条件が食い違わないようにする
  8. 出典・参照資料
  9. 次に学ぶ

オーナーと入居者の間に、二つの賃貸借がある

サブリースでは、事業者がオーナーから住宅を借り上げ、その住宅を入居者へ転貸します。オーナーと事業者の間のマスターリース契約と、事業者と入居者の間の転貸借契約を区別してください。管理委託料を払って管理を任せるだけの契約とは構造が異なります。

広告に出てくる保証額が、オーナーに支払う借上げ賃料なのか、入居者から受け取る想定家賃なのかを確かめます。二つの数字を取り違えると、所有者の収入や事業者の収支を正しく読めません。

30年間借り上げることと、30年間同額であること

例えば広告が「30年一括借上げ」と示し、契約では賃料を2年ごとに見直すとしている場合、30年は借上げ期間の話であり、賃料が30年間同じという意味にはなりません。期間、金額、改定時期は別々の条件です。

空室でも支払う仕組みであっても、免責期間があれば、その期間には賃料が入らない場合があります。修繕費等をオーナーが負担するなら、借上げ賃料と費用控除後の手取額も区別します。「保証」という一語から収入全体を決めないでください。

誇大広告は、表示全体が与える印象で考える

賃貸住宅管理業法28条は、特定転貸事業者等による、著しく事実と異なる表示や、実際より著しく有利だと誤認させる表示を禁止しています。紙のチラシだけでなく、インターネットの広告等も問題になります。

広告の大見出しで賃料固定を強く印象付け、離れた場所に極端に小さい文字で改定条件を書けば、それだけで適切になるわけではありません。条件を見つけられるか、見出しと矛盾しないか、金額と制限が対応して読めるかを点検します。

収支の例で、保証額と手取額を分ける

説明のため、月額借上げ賃料10万円、オーナー負担の修繕費がその月に3万円、ほかに控除がないとします。費用控除後の手取額は7万円です。10万円という契約上の賃料だけを示して「毎月10万円がそのまま残る」と説明すれば、実際の収支との違いが生まれます。

さらに、将来の賃料見直しや解約条件があるなら、その影響も別に確認します。この例の金額は計算方法を示す仮定です。サブリースには一律の保証額や改定率があるわけではなく、個々の契約条件で判断します。

広告・勧誘・契約前説明をそれぞれ確認する

広告が適切でも、契約前の重要事項説明や書面交付が済んだことにはなりません。逆に、後の重要事項説明書に条件を書けば、誤認を招く広告が許されるという関係でもありません。広告は法28条、勧誘は法29条、契約前の説明等は法30条の問題として分けます。

また、受託管理の登録義務に用いる200戸という基準を、サブリースの広告規制にそのまま持ち込まないようにします。試験では、誰が広告したか、どの契約の条件を表示したか、どの点が実際の条件と違うかを具体的に読み取ります。

一年間の受取額を、免責期間を含めて比べる

借上げ賃料が月10万円で、初年度の2か月分は支払わないという条件を仮定します。ほかの条件がなければ、その年の借上げ賃料の受取合計は10万円×10か月=100万円です。「月10万円」という見出しだけから120万円の年収入と考えると、20万円の差が生じます。免責期間の設計は契約により異なり、この例は一般的な固定条件ではありません。

広告で確認する語句

契約条件と照合する点

長期一括借上げ

借上げの期間、更新、途中解約

家賃保証

保証の対象額、改定、免責期間

手間がかからない

修繕の手配と費用負担の区分

月額の受取予定

控除前か控除後か、初年度等の例外

初年度100万円からオーナー負担の修繕費15万円を支払うなら、単純な差引きは85万円です。ただし、これを税金や借入返済等も含めた最終利益と呼ぶことはできません。表示する数字ごとに、どこまでの費用を差し引いたかを明らかにします。

広告・説明資料・契約書で条件が食い違わないようにする

広告に小さく条件が書かれていても、大見出しや図が与える印象との関係を確認します。ウェブ広告の最初の画面、リンク先、契約前の説明資料で金額や条件が変わるなら、どの条件を前提に勧誘したかが分かりにくくなります。

担当者は、広告の版、配信期間、説明資料の版、実際に示した条件を対応させます。広告の誤りを後で契約書へ正しく記載しただけで、勧誘の問題がすべて解消するとは限りません。誤認させる表示をしないことと、契約前に必要事項を説明することの両方が必要です。

この内容を問題で確かめる

この記事に関連する問題を2問収録しています。まずは2問で、読んだ内容を思い出せるか確かめましょう。

過去問は出題当時の基準、オリジナル問題は記載された基準で採点します。年度・基準日を確認してください。

採点後は各選択肢の理由を確認できます。間違えたところは、この記事に戻って読み直しましょう。

学習記録の保存にはログインが必要です。ログイン後、この演習に戻ります。

出典・参照資料

  1. 賃貸住宅管理業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. サブリースの適正化のための措置(国土交通省)確認日 2026/10/28
  3. 国土交通省:サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン確認日 2026/10/28

次に学ぶ

学習の順序に戻って、次の単元を選べます。

賃貸不動産経営管理士の学習入口へ →

解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。

この記事について質問する →

この記事の目次