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論点賃貸住宅管理

オーナーへの定期報告|送金額に加えて伝える管理の状況

管理受託契約の定期報告では1年を超えない期間ごとに管理状況を伝えます。月次送金や契約終了後の報告と区別します。

緑の植栽に囲まれた住宅街
この記事の目次 9項目
  1. 報告の間隔と、報告する期間をそろえる
  2. 報告に必要なのは、管理業務全体の状況
  3. 苦情が解決していないときこそ、経過を伝える
  4. 書面を作り、内容を説明する
  5. 定期報告は、事前承認の代わりにはならない
  6. 送金27万円でも、家賃が27万円だったとは限らない
  7. 定期報告と、待たずに伝える連絡
  8. 出典・参照資料
  9. 次に学ぶ

報告の間隔と、報告する期間をそろえる

定期報告では、まず何月何日から何月何日までの管理について報告するのかを示します。法令上の間隔は1年を超えない期間ごとであり、登録の有効期間である5年と混同しません。管理受託契約が終了した後も、終了までの状況について遅滞なく報告します。

契約で毎月の報告を約束している場合、法令の最低限を満たす年1回の報告だけで契約上の約束まで果たせるわけではありません。年次報告と月次の入出金報告などを併用する場合は、それぞれの対象期間と役割が分かるようにします。

報告に必要なのは、管理業務全体の状況

報告では、対象期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況と対応状況をまとめます。家賃等の収受を受託しているなら、その収受状況も管理業務の一部です。維持保全を行った記録と、金銭の動きを結び付けることが必要になります。

例えば「今月は3万円少なく送金した」というだけでは、家賃の未収、空室、修繕費の控除のどれが原因か分かりません。請求額、入金額、未収額、控除した費用、送金額を対応させ、工事をしたなら実施内容や対象箇所も示します。

苦情が解決していないときこそ、経過を伝える

苦情がなかった月でも、定期報告自体を省略できるわけではありません。苦情があった場合は、受付日、内容、調査や応急対応、解決状況を記録します。「対応済み」とだけ書いて、何をしたか分からない報告にしないことが大切です。

給水ポンプの不具合による断水の相談が続いているなら、家賃が全額入金されていても、その事実を報告から外しません。専門業者の調査待ちならその状態を示し、オーナーの承認が必要な工事があるなら、判断してほしい内容も分かるようにします。

書面を作り、内容を説明する

報告事項を記載した書面を作成して交付し、その内容を説明するのが原則です。所定の要件を満たす電磁的方法の利用も可能ですが、単に書類を作って社内に保管することは委託者への報告ではありません。

例外的に説明を要しない扱いが認められる場面でも、書面の交付と内容の説明を同じ義務として一括で省略してよいとは考えません。適用条件を確かめ、交付日、方法、説明や質問への回答の記録を残します。

定期報告は、事前承認の代わりにはならない

管理受託契約で「一定額を超える修繕は事前承認が必要」とされているなら、その承認を得る手続は別です。無断で発注した工事を定期報告に載せたから、契約上の権限が遡って当然に生じるわけではありません。

定期報告は過去の実施状況を伝えるものですが、今後の管理にもつながります。未解決の漏水、更新が近い設備、継続中の滞納などについて、事実と見込みを分けて記載すると、オーナーは費用や対応の優先順位を判断しやすくなります。

送金27万円でも、家賃が27万円だったとは限らない

月初の繰越預り金を0円、当月の入金家賃を30万円、合意済みの管理報酬を1万円、オーナー負担で承認済みの修繕費を2万円とします。ほかの入出金がなければ、送金額は30-1-2=27万円、送金後残高は0円です。管理報酬や修繕費は、この例の契約条件に基づく仮定で、一律に控除できる費用ではありません。

報告の欄

この例の内容

家賃の入金

30万円。対象住戸・対象月と対応させる

控除

管理報酬1万円、承認済み修繕費2万円

送金

27万円。送金日と振込記録を残す

残高

0円。別途敷金等があれば分けて記載

同じ27万円の送金でも、家賃が3万円未入金で控除がない場合とは意味が違います。送金額だけの報告では、未収金の発生を隠してしまうことがあります。請求額、入金額、控除額、送金額を分ければ、オーナーが状況を確かめられます。

定期報告と、待たずに伝える連絡

法定の定期報告は、少なくとも年1回という基準や、管理受託契約の期間が満了した後の報告を確認します。月次報告を契約で定めた場合には、その合意も守ります。法定の最低頻度が、月ごとの報告を省略してよい理由になるわけではありません。

一方、漏水の拡大や事故、重大な滞納等の連絡を、年次報告の日まで待つ対応は適切ではありません。緊急連絡と定期報告を役割で分け、既に伝えた事案も、対応の経過や未解決事項を次の報告へつなげます。報告済みという印だけで修繕完了扱いにしないことが要点です。

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出典・参照資料

  1. 賃貸住宅管理業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/28
  2. 委託者への定期報告(国土交通省)確認日 2026/10/28
  3. 国土交通省:賃貸住宅管理業法の解釈・運用の考え方確認日 2026/10/28

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