宅建業法の長文事例は、業者と顧客の立場を確認し、媒介依頼、説明、契約、代金受領、引渡しの順に出来事を並べます。条文番号を先に探すより、誰がいつ何をしたかを整理すると、適用する制度を選びやすくなります。
登場人物へ立場を付ける
A、Bという文字だけで読むと、売主、買主、媒介業者等の役割を取り違えやすくなります。最初の余白へ「Aは業者売主」「Bは一般の買主」「Cは媒介業者」と書きます。代理と媒介、自ら売主は別の立場です。
同じ宅建業者でも、他人の売買を仲介する場面と、自分が所有する物件を売る場面では適用規定が変わります。問題の最初に業者の名称が出たから、後の全部の行為へ自ら売主の制限を適用する、といった読み方は避けます。
時系列へ置く
媒介契約、重要事項説明、売買成立、書面交付、手付受領、引渡し等を順に記します。35条の説明と37条書面は、契約成立との前後が違います。「契約書を渡した」とあるだけで、説明の時期や記載事項も満たしたと推測しないようにします。
時間が明示されていない事実は、勝手に順序を補わず保留します。選択肢が「契約成立後に重要事項説明をした」と述べるなら、成立前の説明という要件との対応を判断します。本文と選択肢のどちらに事実があるかも区別します。
行為ごとに制度を選ぶ
自ら売主の規制なら、売主・買主の業者性、取引の種類、契約条件等を確認します。報酬なら媒介・代理、売買・賃貸、原則・特例等を分けます。すべての数字を一つの計算へ入れないよう、問われている制度ごとに印を付けます。
例えば、手付の金額には二十%の上限と、受領前の保全措置の要否という別の問題があります。一つの金額を見て両方同じ基準で判定せず、何を制限する規定かを先に答えます。数字の計算より、適用条件の確認が先です。
選択肢は一つずつ戻って読む
正しいと思う選択肢を見つけても、主語、時期、相手、効果を再確認します。「説明しなくてよい」と「書面を交付しなくてよい」等は異なる主張です。自分で短縮した要約だけで最終判定しないことが大切です。
誤答記録には、条文の解説全体ではなく、落とした条件を残します。例えば「買主も業者」「受領前」「取引態様の明示」のように、次回の読む場所が分かる言葉にします。同じ事例を立場だけ変えた独自の問いで確認すると、丸暗記を点検できます。
五行の整理枠
一行目に当事者、二行目に取引態様、三行目に時系列、四行目に問う制度、五行目に結論の条件を記します。図を整えることに時間を使い過ぎず、長い問題で迷った箇所だけ枠へ戻します。毎問同じ分量のノートを作る必要はありません。
条件を変えて考える
媒介業者Cが説明した後、業者売主Aが一般買主Bから手付を受領する例では、Cの説明とAの金銭受領を別の出来事として記します。誰かが宅建士であることだけで、業者としての保全措置等の義務まで済むわけではありません。行為者と義務の主体を二欄に分けておくと、長文で主語が入れ替わる場面を追えます。
確認問題
A・Bの文字だけで読み進めますか。役割と業者性を付けて読みます。
35条と37条は契約成立との時期を同じにしますか。いいえ。説明と成立後書面を分けます。
手付金の上限と保全措置は同じ判定ですか。いいえ。目的と基準が違います。
関連する学習
学習の一覧へ
出典・参照資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
解説を読んで疑問が残ったときは、この記事に紐づけて質問できます。
この記事について質問する →