論点の整理
要件
- 10条1項の建物と登記
- 所定の掲示事項
- 2年経過前の築造と登記
効果
- いいえ。建物の所有と登記について、同項の条件を確認します。
例外
- いいえ。2年経過前の築造と登記という条件を確認します。
間違えやすい点
- 未登記建物があれば、それだけで10条1項を満たしますか。
- 建築予定とだけ書けば掲示事項は足りますか。
- 掲示を続ければ2年後も再築や登記は不要ですか。
借地権は、その登記がなくても、借地権者が登記されている建物を土地上に所有するとき、第三者へ対抗できます。建物滅失時には所定事項の掲示と2年の期限があります。借地権の存続、再築、建物登記による対抗を別々に確認します。
土地の権利と建物の登記を分ける
借地権そのものの登記と、借地上の建物の登記は別の記録です。10条1項は、借地権の登記がなくても、借地権者が登記されている建物を所有するときの対抗力を定めます。建物があるだけ、未登記建物を持つだけで同じ要件を満たすとは考えません。建物の存在と所有、登記内容を組み合わせて確認し、対象となる土地との関係も調べます。
第三者に主張する場面を確認する
土地所有者が変わるなど、借地権を第三者へ主張する場面で対抗要件を調べます。地主との契約が有効かという問題とは別です。建物の登記名義と借地権者の関係、どの土地上にある建物かも確認します。固定資産税を払っていることや、住民票を置いていることを、条文の登記に当然に置き換えることはできません。示された資料の目的を分けて読みます。
滅失時の掲示事項を確認する
滅失後、建物を特定するために必要な事項、滅失日、新たに建物を築造する旨を、土地上の見やすい場所へ掲示すると、10条2項による効力の維持を検討できます。「建築予定」とだけ表示すればよい制度ではありません。元の建物、滅失の時期、再築の意思が分かる所定の掲示かを確認します。掲示した日を、滅失日や登記の日と混同しないことも大切です。
2年後は再築と登記が必要になる
滅失日から2年を経過した後の対抗力には、その前に建物を新たに築造し、かつ登記することが必要です。掲示だけで永久に維持できません。また、この2年は借地期間を延ばす数字ではありません。再築の期間延長は7条等で別に確認します。滅失、掲示、築造、登記の四つの事実を時系列に示すと、対抗力と存続期間を取り違えにくくなります。
比較して確認する
段階 | 対抗力で確認するもの | 混同しない論点 |
|---|---|---|
建物がある間 | 所有と登記 | 借地権自体の登記 |
建物滅失後 | 所定事項の見やすい掲示 | 単なる建築予定 |
2年経過後 | その前の再築と登記 | 借地期間の延長 |
学習用の具体例
登記のある借地上の建物が火災で滅失した例です。借地権者は元の建物の特定事項、滅失日、再築の意思を整理し、10条2項の掲示を検討します。2年経過後も掲示だけで足りるとはせず、その前の再築と建物登記の条件を確認します。借地の残存期間と再築の承諾については別に調べます。建物がなくなった瞬間に、借地契約も必ず終了するという話ではないため、何の効力を問う事例かを確認します。
確認問題
問1:未登記建物があれば、それだけで10条1項を満たしますか。
解説:いいえ。建物の所有と登記について、同項の条件を確認します。
問2:建築予定とだけ書けば掲示事項は足りますか。
解説:所定の事項を確認します。建物の特定、滅失日、新たに築造する旨が必要です。
問3:掲示を続ければ2年後も再築や登記は不要ですか。
解説:いいえ。2年経過前の築造と登記という条件を確認します。
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出典・参照資料
- 借地借家法(e-Gov法令検索)確認日 2026/10/23
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